はじめに
昨今ではExcelファイルのデータ移行や各種申請書のドキュメント作成などの単純作業を肩代わりしてくれるRPAに注目が集まっています。
この記事では「RPAにはどれくらいの効果があるの?」「RPAにはどんな種類があるの?」「RPAは無料で使えるの?」などRPAについて幅広くご紹介いたします。
RPAとは?
RPAとは「Robotic Process Automation」の頭文字をとったもので、パソコン上の作業を自動でしてくれるロボットのことです。RPAはデスクトップ上でいろいろなサービスをまたいだ作業を自動でしてくれます。
無料で使えるものもありますが、一般的には企業が年次、月次でライセンス契約を交わして導入します。
「この資料の内容をこっちのページに移動させよう!」
「交通費や経費の申請を毎日、代わりにやってもらおう!」
など、ロボットに出す指示の内容は使う人自身で考えるため、RPAができる仕事の可能性は無限大です!
RPAツールにできること
それではまずRPAツールがどのようにして作業をしてくれるのか実際に確認してみましょう!
いかがでしたでしょうか、このように任せる作業を登録してから実行させれば同じ仕事を手作業でこなす必要がなくなります。
今お見せしたツールはマイクロソフト社が無料で提供しているものですが、RPAツールは各社でさまざまな種類のものがリリースされています。
- コマンド形式で作業を登録して稼働するもの
- マウス操作とキーボード操作でわかりやすく手順を記録するもの
- 作業のイメージが既に登録されているもの
などなど、使用感はツールによって異なります。そのため、使用例を動画で確かめたり、実際にツールを触ったりしてから導入することをお勧めします。
ラインアップはさまざまあれど、RPAの使用目的や特性は大きく変わることはありません。
RPAツールが得意とする作業は「繰り返しの作業」「自己判断の必要がない作業」です。
具体的には
- 注文書や請求書の情報をExcelや上司への報告書にまとめる
- 勤怠管理のアプリから勤怠時間を集計して報告する
- 経費精算の登録や日報の作成など毎日の定型業務を自動にする
といった作業を任せることができるでしょう。
業務フローは各人で作成するので「この作業を自動にしたい。」という声にこたえられるくらいの自由度があります。
RPAツールの導入効果
RPAは定型的な業務や繰り返しやる単純作業を素早く、ミスをせず、休まずにこなしてくれます。
RPAツールを導入することによって
- 月間、年間で数百、数千時間の業務時間を短縮できた
- 従業員の残業時間を減らせた
- 業務フローを明確にすることによる業務の見える化
- 人的ミスが発生しなくなった
などのメリットが見込めます。
しかし、RPAは便利な反面、適用事例を間違えてしまうと、こういったことも考えられます。
- 先方に間違ったファイルを送ってしまった
- 範囲設定を間違えて膨大なデータを余計にまとめてしまった
RPAは状況判断が求められる業務には適用しない。もしくはいつでも業務フローを中断できるようにすることが肝心です。
無料のRPAツールと有料のRPAツールの違い
無料RPAツール | 有料RPAツール | |
インストール形態 | デスクトップ型 クラウド型 | デスクトップ型 サーバー型 クラウド型 |
特徴 | 機能や使用団体、使用目的に制限をかけられていることが多い メーカーからのサポートが受けられないことが多い | 数多くのロボットを一元管理できる 使用方法解説の講座に出席できる メーカーからのサポートが受けられる スムーズな動作が保証されている |
代表的な製品 | Power Automation Desktop マクロマン AUTORO Assistant | batton WinActor UiPath StudioX AUTORO Blue Prism |
RPAツールはパソコンで使いますが、製品をどこにインストールして使用するかの違いがあります。
インストール先の違いにより、デスクトップ型、サーバー型、クラウド型が存在します。
デスクトップ型はローカルパソコン内の多量なデータ整理
サーバー型は100台以上のロボットの一元管理
クラウド型はウェブからの情報収集など、それぞれの型で得意な作業が分かれています。
無料のRPAツール
無料のRPAツールは利用にあたって条件が設けられているものが多い印象です。
- 非営利目的で利用すること
- 小規模事業者のみ使用可能
- 教育目的、学生のみ使用可能
- 有料版RPAの機能制限バージョン
など提供しているところによってさまざまですが、ユーザーの利用環境を比較すれば有料版にかないません。
無料でも制限がなく使えるRPAとしてオープンソースソフトウエアを利用するのも一つの手です。
オープンソースソフトウエアとは作成者が無償で公開しているソフトウエアのことです。
これは制限がなく無料で使えますが、高度なIT知識が必要な場合が多いです。
「個人で使いたい」
「有料版の使用感を確かめたい」
「オープンソースソフトウエアを扱えるほどのIT知識がある」
そんな場合は無料のRPAツールがおすすめです。
有料のRPAツール
有料のRPAツールにはデスクトップ型、サーバー型、クラウド型が存在します。
特徴は以下の表のようにまとめられます
デスクトップ型 | サーバー型 | クラウド型 | |
初期費用 | 10~100万円 | 100~2000万円 | 1~10万円 |
継続費用 | 5~10万円/月 | ||
インストール先 | 自社のパソコン | 自社のパソコンとサーバー | 提供元のサーバー |
特性 | オフライン環境下に強い スモールスタートに向いている | 数百台単位のロボットを一元管理できる | ブラウザー上で動作するため オンライン環境下に強い 導入、ランニングコストが安価 |
デスクトップ型は1台から契約することができるため、パソコンの台数に応じてスタンダードに始めることができます。
サーバー型は使用できるロボットの台数が多く、部署をまたいだRPAツールの一括管理ができます。
クラウド型はウェブ上で稼働して設置までの手間が省けるため、低コストでスムーズに導入できます。
初期費用と継続費用は要相談のところも多く、無料トライアル期間が設けられているものや、RPAツール導入のための学習動画が無料で閲覧できるものもあります。
まとめ
今回はRPAの基礎知識についての記事を書かせていただきました。
私は無料のRPAツールを先に知っていたため、RPAツールには有料のものがあること、またそれが数十万~数百万円単位で契約されていることを後から知って驚きました。
しかし、RPAツールをうまく使いこなすことができれば業務時間の大部分を短縮できるため、値段以上の効果を発揮してくれると思います。
RPAツールは今後の業務を乗り切るための大きな助けになってくれるはずです。
この記事がRPAツール導入の参考になれば幸いです。
本記事内でも紹介している、「Power Automation Desktop」の使用方法については以下で紹介しています。
Power Automate Desktopとは?〜概要と長所・短所を解説〜
【初心者向け】Power Automate Desktopインストール手順
Power Automate Desktopの使い方