本記事は「iU×BFT共同プロジェクト」にてiU 情報経営イノベーション専門職大学の学生の方にBFT道場のIT研修を受講した際のレポートをUsers Digital 編集部にて編集し、公開したものです。

iU 情報経営イノベーション専門職大学は、情報技術と経営戦略を統合することで、イノベーションを創出する人材を育成する大学です。情報システム、データサイエンス、ビジネスアナリティクスなどの専門知識と、経営戦略、マーケティング、リーダーシップなどの実践的なスキルを学びます。また、産学連携やインターンシップなどのプログラムを通じて、実社会での課題解決能力を養います。今回は産学連携の一環で、同大学の阿部川 久広教授、山内 正人講師にご協力をいただき実現した企画です。

本来であればIT企業に勤務されている方や、情報システム部門の方向けのIT研修ではあるのですが、現役の大学生が受講して、難易度やIT研修の内容などにどのような印象を持ったのか、リアルな声や感想をお届けします。

今回は、「【Windows初級編 全4回】 第1回 OS設定、Web、DBサーバー構築」を受講いただき、そのレポートを執筆いただきました。

BFT道場 – Windows初級編

Windows初級編の概要と目的

今回の研修では、学習目標を「4 回のコースを通して、OS、ミドルウェアの導入に加え、Windows サーバーの各種役割や機能を組み合わせ、クライアントサーバシステムの基本である Web3 層構成を構築できるようになること」と設定されています。

今回受講した、第1回のコースではWindows OS を使用して Webサーバーと DB サーバーを構築します。その中で、OS (Operating System)の Windows Server 2019 の知識の習得と、ミドルウェアである IIS (Internet Information Services: Microsoft 社の Webサーバー)やMS SQL Server (Microsoft SQL Server: Microsoft 社の DB サーバー)の導入ができるようになることを目標としています。

Windows初級編の研修の内容

今回のIT研修では、Zoom で講義を受講しながら、自らのパソコンで実際の作業を進めるハンズオン形式で受講しました。

Step 1:事前準備

まずは事前準備として AWS(Amazon Web Services)環境について確認しました。
AWSとはクラウドコンピューティングサービスで、インターネット上に仮想的なサーバーやネットワークなどを提供します。この講座では、AWS 上に作成された Windows サーバーに RDP(Remote Desktop Protocol)で接続して作業を行います。RDP はリモートのコンピューターにログインして操作するためのプロトコルです。接続に必要な IP アドレスやパスワードは事前に割り当てられており、それらを用いてリモートデスクトップ上で作業を行いました。

他にも、本研修で構築するシステムの構成を確認しました。

Step 2:Webサーバーの構築

OS のインストールは既に実施されていたため、OS設定や Webサーバーの機能のインストールを行いました。

まず、Windows Server にログインし、コンピューター名やファイヤウォールの設定値を変更します。これらは、サーバーの識別やセキュリティのために重要な設定です。
続いて、IIS をインストールしました。IIS は Microsoft 社が提供する Webサーバーで、Web ページや Web アプリケーションを配信するために必要な機能です。インストール後は、IIS の起動と停止の動作確認を行います。
最後にIISをインストールしたことによる、OSの追加設定や、それぞれの機能確認などを行い、Webサーバーの構築は完了です。

Step3:DBサーバーの構築

続いて、DBサーバーの構築です。Webサーバーと同様にOS設定から始まり、DBサーバーの機能をインストールしました。

Step2 で行ったように、コンピューター名やファイヤウォールの設定値を再度変更します。
次に、MS SQL Server をインストールしました。MS SQL Server は Microsoft 社が提供する DB サーバーで、データベースの作成を行うために必要な機能です。インストール後は、MS SQL Server の動作確認を行いました。最後にMS SQL Serverの管理ソフトである、MS SQL Management Studioをインストールしました。その後、MS SQL Management Studioから、MS SQL Serverへの接続ができることを確認して、DBサーバーの構築は完了です。

レベル感

この講座では、システム構成や OS の基本的な知識が必要とされることがあります。私はそのような知識を十分に備えていなかったので、講師の方の説明や操作を追うのに若干苦労しました。

一方で、システム構成や OS について基礎的な知識を持っている人や、企業で実務経験がある人は、この講座で一つ一つの作業の背景や目的を理解しながら学ぶことができると考えます。内容も座学ではなく、実践的なサーバーの構築作業がメインであるため、ある程度の知識や経験がある人に向いていると感じました。

おすすめしたいポイント

今回の講座はオンラインで行われましたが、対面での講座と変わらないほど臨場感や双方向のコミュニケーションがあったと感じました。
実際に研修を進行するにあたり、講師の方はテキストのページ数や Zoom の操作方法を伝えてくださり、受講者の進捗状況を随時、Zoomの挙手機能で確認していました。挙手した受講者の名前を呼んで、状況を伝えてくれたことに感謝の言葉を述べつつレスポンスをするなど、細やかな配慮に好感が持てました。
そのおかげで、質問しやすい雰囲気が作られ、多くの受講者が積極的に質問を行っていました。私は残念ながら今回は質問するタイミングがありませんでしたが、オンラインでも受講者同士で仲間意識が湧き、質問することに抵抗がなくなる雰囲気が醸成されていることが伺えました。これは、研修を受ける上でお互いにとって非常に重要なことだと思います。また、質問に対する回答も丁寧で分かりやすかったため、質問をした受講者の理解を深めることについても役に立っていると考えます。

テキストについても、操作中画面の写真を多用していて、講座中や復習時に操作するべき箇所や確認しなければならないポイントが一目でわかるように工夫されていました。さらには実際の作業に必要となるサイト URL や ISO のダウンロード方法などの参考情報も数多く記載されていて、実際に作業行う際にも役に立つ丁寧なテキストの作りとなっていました。

改善を期待したいポイント

今回の講座では、「ITインフラに関する基礎的な知識を有すること」が前提となっている研修内容でした。そのため、当然と言えば当然なのですが、基本的な操作や各種のITに関する用語の解説は行われませんでした。実際の研修の中でも講師の方の説明の中で、頻繁にIT用語が出てきます。ですが、研修テキストには記載がないものが散見されました。受講者自身がメモを取るなどの工夫をすればいいのですが、後日復習を行う際に、このような説明で使用されたIT用語についても記載や説明が用意されていると便利だと感じました。

全体の感想

全体として、システム構成や OS の基本的な知識を有していない方には、難易度の高い講義だと感じました。今回は、第1回ということもあり、基礎的な知識だけでもなんとかなる部分はありました。しかし、次回以降は「AD、DNSサーバー構築、Active Directoryの機能確認」、「APサーバー構築、SQL Serverの機能確認」、「Web3層システム、WSUSサーバー構築」と実際のシステムの構築の流れをなぞるため、回を追うごとに難易度が上がっていくと思われます。

そのため、受講前に基礎的な知識を身につけておくこと、受講後に内容を復習しておくことが重要だと考えます。これは学生生活での勉学でも同様なのですが、社会人となっても、事前の準備や、振り返りといったことが重要なのだなと感じました。

特にIT業界ではこういった傾向が顕著で、新しい技術や製品などがどんどん出てくると聞きます。そのため、常に新しい知識を仕入れ、自身のものとしていく必要があるのだと感じました。

まとめ

今回は、「iU×BFT共同プロジェクト」にてiU 情報経営イノベーション専門職大学の学生の方にBFT道場 – チョイトレのIT研修である、「【Windows初級編 全4回】 第1回 OS設定、Web、DBサーバー構築」を受講いただきました。

レベル感や全体の感想にも記載がありますが、今回受講頂いた学生の方のレベル感としてはOSの設定などについて、ご自身が自身を持って説明できるレベルではないとのことでした。レベル感としては、未経験で入社後、基礎的なITの知識を学んだ新入社員の方に近いのではないのでしょうか。そのため、今回の講座では前提知識が不足していたため、少々難しいと感じられたようです。

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でご紹介している、「今更聞けない インフラシステム概要理解」、「今更聞けない ネットワークシステム概要理解」を受講したあとに本研修を受講いただくと、不足している知識が補完できます。

この順で受業いただくことにより、IT業界未経験の方でも基礎的な知識を身につけ、実務でも利用できるような構築作業まで実践できるように組まれております。気になった方はぜひ、BFT道場 – チョイトレ –のサイトからお問い合わせください。