はじめに

本記事は「iU×BFT共同プロジェクト」にてiU 情報経営イノベーション専門職大学の学生の方にBFT道場のIT研修を受講した際のレポートをUsers Digital 編集部にて編集し、公開したものです。

iU 情報経営イノベーション専門職大学は、情報技術と経営戦略を統合することで、イノベーションを創出する人材を育成する大学です。情報システム、データサイエンス、ビジネスアナリティクスなどの専門知識と、経営戦略、マーケティング、リーダーシップなどの実践的なスキルを学びます。また、産学連携やインターンシップなどのプログラムを通じて、実社会での課題解決能力を養います。今回は産学連携の一環で、同大学の阿部川 久広教授、山内 正人講師にご協力をいただき実現した企画です。

本来であればIT企業に勤務されている方や、情報システム部門の方向けのIT研修ではあるのですが、現役の大学生が受講して、難易度やIT研修の内容などにどのような印象を持ったのか、リアルな声や感想をお届けします。

今回は、「今更聞けない ネットワークシステム概要理解」を受講いただき、そのレポートを執筆いただきました。

BFT道場 – ネットワークシステム概要理解

ネットワークシステム概要理解の概要と目的

今回の研修では、初心者向けのネットワークに関する講座として、「ネットワークとは?」から始まり、「ネットワーク構成要素」、「ネットワークの種類」、「通信」、「各レイヤーの機能と概要」と、徐々に詳細化される概念を学びます。最後に「トラブルシューティング」について学び、ネットワークの用語、仕組み等の基本的な知識習得を目標とした講座となっていました。

ネットワークシステム概要理解の研修の内容

私はこの講義に参加して、ネットワークの基礎知識を深めることができました。ネットワークの構成要素や通信プロトコル、トラブルシューティングの方法など、実務に役立つ内容が多く含まれていました。特に、OSI参照モデルの詳しい説明は、ネットワークの仕組みを理解するのに役立ちました。トラブルシューティングの問題は難しかったですが、解説を聞いて納得しました。この講義はネットワークの初心者にとって非常に有益なものだと思います。

ネットワークとは何か、どのように構成されているか、どのような種類があるか、どのように通信が行われるか、各レイヤーの機能と概要、トラブルシューティングの方法について講師の方が説明してくれます。

ネットワークとは、コンピューターや機器が相互にデータをやり取りするためのシステムです。


ネットワークを構成する要素には、ノードとしてコンピューターや機器、ネットワーク機器として、スイッチ(データを中継する装置)、ルータ(データを転送する装置)、伝送媒体はケーブルや無線などがあります。

ネットワークの種類には、範囲や規模によってLAN(ローカルエリアネットワーク)、WAN(広域ネットワーク)などがあります。他にも種類はあるそうなのですが、この研修内では代表的なもののみに絞って解説を行っていました。

通信とは、ネットワーク上でデータを送受信することです。通信には、プロトコル(通信のルール)、アドレス(送受信先の識別子)、ポート番号(通信の種類を区別する番号)などが関係します。

また、OSI参照モデルについても解説がありました。こちらは7層の階層構造で表されます。各レイヤーは、物理層(電気的な信号の伝送)、データリンク層(フレームの生成と誤り検出)、ネットワーク層(パケットの生成と経路選択)、トランスポート層(セグメントの生成と信頼性の確保)、セッション層(通信の開始と終了)、プレゼンテーション層(データの形式や暗号化の変換)、アプリケーション層(アプリケーション間のインターフェース)です。

このセクションでは特に時間を割いて、各レイヤーの機能と役割について、詳細にどのような動作をするのかを解説していただけました。

トラブルシューティングとは、ネットワークに問題が発生した場合に原因を特定し解決することです。トラブルシューティングには、OSI参照モデルの下位層から順に確認していくことが重要であること、ネットワーク全体の構成を把握しておく必要があることを解説していただきました。このセクションではトラブルシューティングの例題が出題されましたが、私には知識や経験が乏しく、正解することはできませんでした。ですが、非常に実践的な内容であり、研究室などでネットワークのトラブルが発生した際にはこの知識や経験を生かして、実践してみようと思います。

レベル感

まず、私は類似の内容を1年生の時に大学の講義で学んでいます。そのため、今回のIT研修については復習をしている感覚で受講しました。実際にトラブルシューティングの例題で、自身がネットワークの知識をきちんと習得できていなかったことが明らかになりましたので、改めて学びなおす機会として非常に有意義でした。

全体の内容としては、初心者向けであると感じました。ネットワークの基礎の基礎の部分から、通信の概念までカバーしていて、初心者にはもちろん、改めてネットワークを学びたいというエンジニアの方にもおすすめできるのではないかと考えます。初心者でも理解しやすいレベルでネットワークに関する基本的な知識を習得できるということは、大変価値のあるものだと言えます。初心者にとっては最適なIT研修だと思います。

おすすめしたいポイント

分かりやすい資料、テンポの良い話、この2点について書いていきます。

ネットワークは目に見えないため、教える場合には図のわかりやすさが重要だと思います。
その点今回の講義は優れていたと思います。下の図は実際に講義内で OSI 参照モデルを説明する際に使用されていたものです。

この図は OSI 参照モデルの各層の役割と関係を簡潔に示しています。例えば、アプリケーション層はユーザーが直接利用するソフトウェアやサービスを提供し、プレゼンテーション層はデータの形式や暗号化を行うことがわかります。また、各層は下位の層に依存しており、上位の層にサービスを提供することもわかります。このように、図を見るだけで通信の仕組みを理解することができます。

この講義全体として言えることに話のテンポが良いということがあります。

講師の方が自信を持って迷いなく話しているので安心して受講できました。話がぶれることもなかったので聞きやすく好感を持てました。講師は適切な声量や抑揚、間を使って聞き手の注意を引きつけていました。例えば、重要なポイントでは声を強調したり、疑問を投げかけたりして興味を持たせました。一方で、細かい説明では早口にならずに丁寧に話したり、適度に休憩時間を設けたりして疲れさせませんでした。このように、話者は話のテンポをコントロールする技術を持っていました。

話のテンポは講義の質に大きく影響する要素です。話のテンポが良いということは、講師が自分の話や技術分野に自信を持っていること、聞き手に対して尊重を示していること、話の構成や論理が明確であることを意味します。これらはすべて、聞き手にとって魅力的で説得力のある話になります。逆に、話のテンポが悪いということは、話者が自分の話に自信がないこと、聞き手に対して無関心や不快感を示していること、話の構成や論理が曖昧であることを意味します。これらはすべて、聞き手にとって退屈で信頼できない話になります。

改善を期待したいポイント

この講義は非常に有意義で勉強になりました。講師の説明はわかりやすく、内容も興味深かったです。改善してほしい点はほとんどないのですが、挙げるとすれば実感を持ちにくいという点です。この講義では理論的な知識を多く学びましたが、それをどのように実践に活かせるのかがイメージしにくかったです。限られた時間の中で難しいとは思いますが、問題や実際に手を動かす作業がこまめに欲しかったです。

個人的には、長時間の講義でほとんど手を動かさないと集中が途切れることがあります。もっと実践的な演習やケーススタディがあれば、より理解が深まると思います。

全体の感想

このIT研修を通して、ネットワークに関する知識を改めて習得することができました。ネットワークは、コンピューターだけではなくスマートフォンなどの情報端末をつないでデータのやり取りをする、目には見えないものの実生活にも大きく関わる身近な仕組みです。

私は、この仕組みを理解することで、自分の使っている情報端末やインターネットサービスに対する興味や関心が高まりました。また、ネットワークに関する技術や知識は日々進化しているので、今後も学び続けていきたいと思いました。

まとめ

今回は、「iU×BFT共同プロジェクト」にてiU 情報経営イノベーション専門職大学の学生の方にBFT道場 – チョイトレのIT研修である、「今更聞けない ネットワークシステム概要理解」を受講いただきました。

今回受講いただいた学生の方は、類似の内容を1年生の時に大学の講義で学んでおられたとのことですので、ある程度の基礎知識はある状態で受講されています。その中でも深掘りされた説明があり、復習になったとともに新たな学びもあったとのことでした。

ネットワークというと、目に見えない概念のため、ITエンジニアの方でも苦手意識のある方が多くいらっしゃいます。本講座では基礎から深い部分まで学べるため、IT業界未経験の方や、インフラエンジニアとしてネットワークを学びなおしたいという方にも最適なIT研修と言えるでしょう。気になった方はぜひ、BFT道場のサイトからお問い合わせください。