はじめに

記事執筆時点の2021年4月上旬に於いて、緊急事態宣言は一旦は解除されたものの、引き続き在宅勤務や、 テレワーク ・ リモートワーク が推奨されています。事実、筆者の職場でも1回目の緊急事態宣言が発出された2020年4月より、完全テレワークに切り替わっており、現在も継続中です。

 気軽に持ち掛けられるオンライン会議ツールは?~お手軽オンライン会議ツール紹介~

こちらの記事でも紹介している通り、テレワーク下におけるZoomやGoogle MeetsのようなWeb会議は一般的になりつつあります。筆者はIT業界という仕事柄、その機会も数多く、社外の方ともWeb会議を行う機会も少なからずあるのですが、直接会っていないので、ビジネスシーンでこれまで当たり前だった名刺交換ができなくなりました。

社外の方との打ち合わせなどにおいて、人とつながれる大切な名刺交換。オンラインで代替する方法やツールをご紹介したいと思います。

テレワークで名刺交換 ? どうやるの?

テレワーク下でのWeb会議はロケーションを意識せず、かつ移動時間も気にする必要がないなど非常に便利なコミュニケーション手段なのですが、Web会議後に「あれ? あの人の連絡先聞いてないな…」や、「議事録を書くときに参加者が誰だったっけ…?」というようなことが起きやすいと感じました。

名刺交換は、メールアドレスや電話番号などの連絡先を知る手段としてだけでなく、互いに所属や立場・肩書を明確にするといった意味もあります。他にも、名刺に所属企業・組織のサービスなどを掲載する、目立つデザインの名刺で覚えてもらいやすくするなど、といったPRや営業ツールとしての役割も持っています。

Web会議で初めて対面した相手とは、そうした名刺交換の機会が失われてしまっていますが、代替の方法や、ツールを使うことにより名刺交換をすることができます。
では、オンライン名刺交換の方法として、どんなものがあるのでしょうか?

Web会議のチャットを使用して送る

ZoomやGoogle Meets、Teamsにはチャット機能があります。名刺を画像ファイルとして保存しておき、Google Driveなどの機能により共有、そのURLを先方に伝える方法です。ほかにも、ファイル化しておけば事前にメールで送付するなど、交換の方法は広がりますね。

Google DriveはGoogle Workspace (旧 G Suite)の機能です。こちらの記事で紹介しています。

デジタルワークスタイルを後押しするGoogle Workspace(旧 G Suite)を使いこなそう!

Web会議の背景に名刺を設定する

ZoomやGoogle Meets、TeamsなどのWeb会議の際に、自身の部屋を見られたくないなどの理由で、背景を設定している方は数多くいらっしゃるかと思います。先日打合せをしたある会社の方は、その背景にご自身の名刺を設定していました。

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上記はイメージですが、この背景を見たときに、なるほど!と思いました。手軽でかつWeb会議中にも相手に名前が伝わりやすいですし、非常にいいアイデアですよね。

前述の方はご自身で作成されたとのことでしたが、名刺の情報を含めた背景画像を作成してくれるサービスもありますので、ご紹介します。

バーチャル名刺ジェネレーター

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バーチャル名刺ジェネレーター」は名刺型背景を無料で作成できるサービスです。
Web上で必要な項目を入力するだけで簡単に名刺型背景が作れます。作成した名刺型画像をご自身の背景に設定すれば、OKです。

zooome

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zooome」はバーチャル背景名刺作成ツールです。
BETA版ですが、こちらもバーチャル名刺ジェネレーターと同様にテレビ会議用の バーチャル背景名刺を作成できます。

名刺管理ツールを利用する

最後に名刺管理ツールを利用して、オンライン名刺交換をする方法です。
現在サービスを提供している名刺管理ツールには、単純な名刺管理の機能にとどまらず、オンラインで名刺交換を行う機能が搭載されているものも存在します。

オンライン名刺交換のできる名刺管理ツール

では、オンライン名刺交換のできる代表的な名刺管理ツールをいくつかご紹介します。今回ご紹介するサービス以外にも様々なサービスがありますので、ご自身や所属する組織に適したサービスを選択して使用されるのが良いですね。

Sansan

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クラウド名刺管理サービスの企画・開発・販売を手掛けるSansan株式会社の「Sansan」は法人向けオンライン名刺交換サービスの代表的なツールです。事前に登録したオンライン名刺のURLを相手に伝えることで、相手はその名刺情報にアクセスできます。

特徴としては、名刺をスキャンした際に、OCRで読み取り自動で情報を入力し、データベース化してくれます。データベース化した名刺の情報は組織で共有することができ、顧客情報を社内で役立てるという使い方になります。
お互い「Sansan」のサービスを利用している場合には、URLの送付だけで名刺交換が完了します。一方がサービスを利用していない場合でも、送付されたURLから相手の名刺情報をダウンロードする際に表示されるQRコードにアクセスして、自分の名刺をスマートフォンで撮影することで、名刺を送り返すことができます。

Eight

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「Sansan」と同じくSansan株式会社が運営する、個人向け名刺ツールが「Eight」です。「ビジネス版のSNS」といったアプリで、無料で始められるので気軽に使用することができます。

シンプルなUIなので使いやすく、スマホで撮影して登録した名刺は、OCRで読み取りが自動で行われ、データベース化され、ラベルによって分類・グルーピングされます。
オンライン名刺交換の基本的な仕組みはSansanと同じで、あらかじめ登録した名刺情報をQRコードで相手に伝え、相手が読み込むと名刺交換が完了します。 無料のプランでは、展示会や大規模なセミナーなどが開催された直後などは、登録までかなり時間がかかり、名刺の情報も一部のみしか登録されないということもあります。

myBridge

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「myBridge」はLINE株式会社が運営する名刺管理アプリです。2018年にサービスを開始した比較的後発の名刺管理ツールです。

大きな特徴は他社では有料とされるサービスもすべて無料で利用できる点です。名刺1枚ごとにメモをつける機能や、Excelファイルでのダウンロード、CSV形式ファイルのデータ出力などに加えて、たくさんある名刺を郵送してデータ化してもらえる機能も利用できます。

オンラインでの名刺交換は、URLを相手に送付するだけ。LINEを活用して行うことができるのも魅力です。交換した相手の名刺情報を共有する必要があるときにも、LINEのトーク画面から手軽に行うことができます。

また、myBridgeに名刺を登録していれば、スマートフォンに連絡先を登録していない相手でも、着信時に相手の名刺情報が表示されます。

ただ、筆者としては仕事にLINEを使用するのはおすすめできません。LINE WORKESでない限り、個人向けSNSツールで業務情報をやり取りするのはリスクが伴いますし、そもそも私用のツールでのやり取りを禁止している企業も多いかと思います。

LINEの個人情報取り扱いに関する問題にもご注意の上、ご利用ください。
LINE個人情報問題をLINEのルーツからエンジニア目線で考える

ホットプロファイル

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「ホットプロファイル」は、株式会社ハンモックが提供する営業支援・名刺管理ツールです。名刺の管理だけではなく、営業活動をサポートすることに重点を置いた「顧客管理」としての性格が強いクラウドサービスです。

オンライン名刺交換にも対応しており、Web会議中にQRコードを表示させたうえで、相手がそれをスマートフォンで読み取ると、1タップで電話帳に登録できます。そのまま相手が自分の名刺をカメラで撮影すると、名刺交換が完了します。

このようにして交換した名刺データを、顧客情報としてクラウド上で管理することが可能で CRM ( Customer Relationship Management )や SFA ( Sales Force Automation )としての利用方法が適しています。

まとめ

コロナ禍において、今まで当たり前であった価値観や生活様式が大きく変化しています。
日本の企業体質では相当難しいと考えられていた、在宅勤務やテレワークをはじめとして、Web会議も普及しはじめています。対面での名刺交換の機会は少なくなりましたが、オンライン名刺交換という新しいカタチも生まれました。

名刺交換は無くならないのか?とも考えましたが、ビジネスの場面では一度お会いした後、再度ご連絡をしたり、数年後にビジネスにつながったりする可能性もあります。そのためのデータ蓄積を放棄するのは明らかに損です。これからの時代、オンラインでの接点が増えてくると思いますので、それに伴ってオンライン名刺交換もますます増えていくでしょう。

そんな中、勝手にオンラインで名刺を送りつけるのは失礼だなど、名刺データを送る方にも受け取る方にも、新しいマナーが作られていくのかもしれません。

ぜひ皆様も、今回ご紹介した方法やツールを参考にしていただき、料金や仕様などを比較しながら、ユースケースに合わせてオンライン名刺交換に挑戦してみてください。

また、名刺管理ツールは社内での顧客情報の共有など、CRM ( Customer Relationship Management )や SFA ( Sales Force Automation )といった使い方もできます。
こちらに関しては別記事にてご紹介させて頂く予定です。