ネットワークエンジニアとは、ネットワークの設計、構築、運用などを通じてITインフラを支える職種です。これまでの必要なスキルといえば、ルーティングやスイッチの知識・技術を身に付けることが代表的なものでした。しかし、近年ではクラウド化の浸透やSDNといった新たな技術に対応できるスキルなど、幅広く勉強することが必要になりました。

このような状況から、ネットワークエンジニアを目指すにはスキルの習得が欠かせません。しかし、経験のない方にとっては、どの技術をどのような方法で勉強すべきか、わからないことも多いでしょう。事前に勉強方法を把握しておかないと、効率的な学習ができず挫折につながってしまうリスクもあります。

本記事では、ネットワークエンジニアに必要な勉強について解説します。必要なスキルと知識、勉強方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

ネットワークエンジニアとは

ネットワークエンジニアは、ネットワークインフラの企画や設計、構築、運用などの業務を担当するエンジニアです。ITエンジニアと聞くと、システム開発やアプリケーション開発を担うアプリケーションエンジニアを連想する人も多いですが、ネットワークエンジニアはシステム開発ではなくインフラ部分を担っているため、両者は根本的に異なる存在です。

近年、多様で柔軟な働き方の実現を目指す「働き方改革」の実施により、テレワークを積極的に導入する会社が増えています。社外での業務にも対応できる、セキュリティの高いネットワーク環境を構築・運用できるネットワークエンジニアが求められています。

ネットワークエンジニアに必要な知識とスキル

ネットワークエンジニアになるには、どのようなスキルや知識が必要になるのでしょうか。ここでは、ネットワークエンジニアに必要なスキル・知識を3つご紹介します。

ネットワークの基礎知識

ネットワークエンジニアを目指すうえで、まず身につけなければならないのがネットワークの基礎知識です。通信がどのような仕組みで行われているのかを理解しておかなければなりません。例えば「TCP/IP」と呼ばれる通信規格があります。コンピュータの通信を標準化するために定められた世界共通の規格で、今日のネットワークの基礎となる仕組みです。

同じく「OSI参照モデル」も基本的な知識の1つです。通信プロトコルを7つの階層に分けて定義しているモデルで、階層ごとに異なる役割や規定を把握する必要があります。TCP/IPとOSI参照モデルは、対応している部分もあれば異なる部分もあります。両者を用いた通信の理解は、ネットワークエンジニアに欠かせない基礎的な知識の1つです。

設計・構築スキル

ネットワークエンジニアには、設計・構築スキルも必要です。仕組みを理解するだけでなく、知識を用いて実際にネットワークを設計し、コンピュータ同士が正常に通信できるような仕組みを構築するスキルが求められます。

クライアントの要件を把握して最適な設計図を作成し、ネットワーク機器の選定や設定内容を事前に考えるのが設計の仕事です。設計を元に機器を配置、配線し、必要な設定を行ってネットワークを構築するスキルも、ネットワークエンジニアには欠かせません。

トラブルシューティングスキル

ネットワークエンジニアの仕事は、ネットワークを構築すれば終わりというわけではありません。運用・保守業務もネットワークエンジニアの仕事なので、トラブルシューティングスキルも大切です。

ネットワークに障害があると、今日のITシステムの多くは利用できなくなってしまいます。影響を最小限におさえるために、いち早く障害の原因や状況を把握し、復旧しなければなりません。

ネットワークエンジニアになるための勉強ロードマップ

ネットワークエンジニアになるための勉強ロードマップを紹介します。事前に手順を把握し、計画的に勉強を進めてみてください。

ネットワークの基本を知る

まずはネットワークの基本を学びましょう。ネットワークの仕組みや通信ルール、IPアドレスの計算はもちろん、OSI参照モデル、TCP/IP各層の構造について理解しておく必要があります。全体の勉強の基礎となる部分なので、必ず知識を定着させましょう。

実機の操作を学ぶ

実機の操作も学んでおきましょう。実際にネットワークエンジニアとして働く際は、ネットワーク機器を適切に配置し、各機器やコンピュータをケーブルでつないで環境を構築します。各機器の操作や設定方法についても理解しておかなければなりません。実機の操作を通じて、実践的なスキルを身につけていきましょう。機器を用意するのが難しい場合には、各種のネットワークシミュレーターを利用するのも一つの手段です。

資格を取得する

ネットワークエンジニアの場合、取得者が多い資格として「CCNA」があります。CCNAは、ネットワーク機器の世界最大手であるCisco社が認定している資格の1つで、ネットワークエンジニアに必須の知識を認定する資格です。独学では少々難易度が高い資格なので、研修の受講なども視野に入れながら取得にチャレンジしてみてください。CCNA以外に、ネットワークエンジニアを目指すうえで役立つ資格として、以下も挙げられます。

なお、ネットワーク関連の資格以外に、IT全般に関わる資格や、データベースやインフラ分野の資格を取得しておくと、業務の役に立つでしょう。

ネットワークエンジニアになるための勉強方法

ネットワークエンジニアになるための勉強方法として、主に以下の3つが挙げられます。それぞれの方法について、特徴や勉強のポイントを解説していくので、これからネットワークエンジニアを目指す方はぜひ参考にしてみてください。

書籍

書籍は知識を網羅的・体系的に学習でき、全体の概要を把握しやすいというメリットもあります。ネットワーク関係の知識を学べる書籍は数多く出版されているので、自分に合ったものを選びやすいのもポイントです。

参考書籍

 [改訂新版] 3分間ネットワーク基礎講座
書籍名の通り3分の単位で講座が学べる本になります。ネットワークの基礎を勉強しようとしたものの、難しくて挫折してしまった経験のある方も多いのではないでしょうか。そのような方でも、1回あたり3分という短時間で簡潔に理解できるように構成されています。日々の仕事が忙しく勉強時間を確保することが難しい方でも、休憩時間などを利用できます。

マスタリングTCP/IP 入門編(第6版)
TCP/IPの基本を身につけるための定番ともいえるのがこの書籍です。1994年に初版が登場して以降、ネットワーク入門書としてはロングセラーになります。689ページのボリュームがあり、テキストとイラストとのバランスも良く理解しやすい内容です。また、ネットワークの分野は特に時代に合わせた知識や新しい技術要素が求められるものですが、この「マスタリングTCP/IP 入門編」は改訂版が出るたびにアップデートされています。最新動向や知識を身につけるためにも良い内容です。

ネットワーク超入門講座
ネットワークエンジニアにとって重要な「LAN」「WAN」の概要、スイッチやルータといった分野ごとに基本的な知識を得られる入門書です。第一章の部分では「ネットワークの全体像」が詳しく解説されているため、それぞれの分野がネットワークでどのような役割を果たしているのか、体系的に学ぶこともできます。

学習サイト

学習サイトを使った勉強は、手を動かした学習がしやすいというメリットがあります。学習環境をサイト側で用意してある場合もあるため、実践的な学習をすぐスタートさせられます。

参考学習サイト

3分間ネットワーキング
おすすめ書籍として紹介した「 [改訂新版] 3分間ネットワーク基礎講座」のもととなっているのが、この「3分間ネットワーキング」になります。1回3分程度で読み切れる講座で構成されています。講座は基礎的な内容と、補講や構築、特別講座などのコンテンツも用意されており、無料で学べます。PCなどで手軽に勉強したい方にとっては、良い学習サイトです。

ネットワークエンジニアとして
ネットワーク関連資格の対策、ネットワークエンジニアの仕事内容などを詳しく解説しているサイトです。ネットワークの基礎を学びたい方に対しては、Network Studyというコンテンツがおすすめで、初級者から中級者に応じて解説しています。

スクール・研修

スクールや研修の受講は高い学習効率が期待できる勉強方法です。より実践的なスキルを学べるほか、疑問点が生じたときは講師に質問して即座に解消できるメリットがあります。

なお「ITスクールは費用が高額なので、もう少しコストを抑えたい」という方におすすめなのが、動画を活用したサイトでオンライン研修を受講する方法もあります。本格的にネットワークエンジニアを目指すのであれば、ぜひ受講を検討してみてください。

まとめ

本記事では、ネットワークエンジニアを目指す勉強方法について解説しました。ネットワークエンジニアになるには、ネットワークの基礎知識だけでなく機器の操作や配線など、独学では難しいことも勉強する必要があります。ネットワークエンジニアを本格的に目指す方は、スクール・研修の受講がおすすめです。経験豊富なエンジニアによる指導も受けられるので、ネットワークエンジニアに必要なスキルを、独学よりも効率良く身につけられるでしょう。詳細は以下の表をご確認ください。

スクール・研修独学(書籍・学習サイト)
メリット・講師から専門的な指導が受けられる
・疑問点があれば、すぐに確認できる
・開発環境等、学習環境が用意されている
・同じ目的を持つ仲間と出会える
・現場で使えるスキルを学べる
・学習費用がスクール・研修に比べて安くなる
・自分に合う参考書を選ぶ事ができる
・自分の自由な時間や場所で学習できる
デメリット・学習費用(受講料など)が独学に比べて高くなる
・受講者のレベル感にばらつきがあると研修満足度が低くなる
・受講できる期間や場所が限られる
・疑問点があっても、すぐに答えが得られない
・開発環境等、学習環境を揃える必要がある
・孤独のため、モチベーションの維持が難しい
・最新技術や現場で使われる技術の習得が難しい

なお、ネットワークエンジニアに欠かせない技術を学べる「BFTチョイトレ」を受講すれば、学ぶべきスキルを身につけられます。インフラエンジニアを育成したい企業の担当者の方は、「BFT道場チョイトレ」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

BFT道場チョイトレとは?

BFT道場チョイトレ

「BFT道場チョイトレ」は、多忙な現場で活躍するエンジニアたちに広く利用されているIT研修サービスです。定額制・受け放題の体系により、限られた予算の中でも多数の社員に学習の機会を提供することができます。受講者はご自身のスキル向上プランに合わせてコースを選ぶことが可能です。

BFT道場チョイトレの特長

業務都合に合わせて講義を選択できる

チョイトレは1回3時間の研修を受講者のスケジュールに合わせて自由に選択できます。3か月先までの開催スケジュールをカレンダー形式で見れるため、ご自身の業務都合を考慮したうえで受講スケジュールを調整できます。

3営業日前まで予約ができる

チョイトレは予約専用サイトから3営業日前まで受講予約が可能です。忙しく日々予定が変化しやすい現場のエンジニアの方も、少しの時間を有効活用し、スキルアッププランを実現できます。詳しくは以下をご確認ください。

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