AWS(Amazon Web Services)はクラウドコンピューティング分野で、世界的に有名なプラットフォームです。近年、多くの企業がAWSを利用して、効率的かつ柔軟なITインフラを構築しており、今後より重要性が高まっていくクラウドサービスになります。

AWSエンジニアを目指すためにはスキルの習得が欠かせません。しかし、経験のない方にとっては、どのような技術をどのような方法で勉強すべきか、わからないことも多いでしょう。事前に勉強方法を把握しておかないと、効率的な学習ができず挫折してしまうリスクもあります。

本記事では、AWSの勉強方法とスキル習得によるメリットについて解説します。最後までお読みいただくことで、AWSの全体像と具体的な学習方法が把握できるでしょう。

AWSとは

AWSとは、Amazon Web Servicesの略で、Amazonが提供しているクラウドコンピューティングサービスです。調査会社のCanalysによるとAWSのシェアは全世界の32%になります。

出典:Canalys「Global cloud services market forecasts downturn despite growing 19% in Q1 2023」

AWSは全世界に広がる広範なデータセンターからなるリージョンと、細分化したアベイラビリティゾーンと呼ばれる構造を持つことでデータの冗長性と堅牢性を確保し、顧客からの信頼を得ています。200以上のサービスを提供していることも特徴です。代表的なものは以下が挙げられます。

  • Elastic Compute Cloud(EC2)クラウド上での仮想マシンを提供するサービス
  • Simple Storage Service(S3)オンラインストレージサービス
  • Relational Database Service(RDS)AWS上で各種のRDBMSが利用できるサービス
  • DynamoDB NoSQLとよばれるRDBMSでないスキーマレスのデータベースを提供するサービス

出典:AWS によるクラウドコンピューティング

AWSを勉強するメリット

クラウドエンジニアとしてのスキルアップができる

クラウドコンピューティングは、DXが求められる世の中で今後ますます重要になる技術です。AWSを勉強することで、複数のコンピューティングサービスを理解し、それらを組み合わせてソリューションを提供する能力が向上します。データの保存やアクセス、セキュリティとプライバシー、ネットワークといった広範なトピックについても深く理解することが可能です。

これらは、ビジネス上の課題を解決するためのソリューションを設計し提供する上で必要なスキルであり、クラウドエンジニア、ソリューションアーキテクトなどの職種において必要とされます。

クラウドエンジニアとしてのキャリアアップに繋がる

多くの企業がクラウドサービスをビジネス戦略の中心に置いており、AWSはその中でも世界最大のプロバイダーとして広く利用されています。よって、AWSの知識と技術を有することは大規模なプロジェクトで活躍するためのステップとなります。システムエンジニアからクラウドエンジニア、データ分析からAWSを活用したビッグデータアナリスト、といったキャリアチェンジも視野に入れることができます。

IT業界での活躍が広がる

AWSを勉強することはIT業界での活躍に必要なスキルを身につけるチャンスです。AWSのスキルは他のクラウドコンピューティングサービスにも応用可能です。そのため、AWSの学習はキャリアアップだけでなく、転職の機会を広げる可能性も秘めています。実践経験を積むことで能力を活かし、職場で昇進する道を選ぶことも、働きやすい環境を求めて転職を選ぶことも可能となります。

AWSの勉強方法

AWSの勉強方法について解説していきます。

書籍

書籍を使った勉強には、コストを抑えて自分のペースでスキルアップできるというメリットがあります。必要な知識が網羅的に書かれているため、特定の分野について体系的に学びやすい勉強方法です。一方、手を動かしての学習や実践的なスキルの習得にはつなげにくいので、学習の際は他の方法もあわせて検討しましょう。

参考書籍

図解即戦力 Amazon Web Servicesのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書
AWSの概要とAWS関連用語の説明が書かれており、AWS初心者の方でもAWSの基礎部分から学ぶことができます。内容が詳しく書かれているので、この本を読めば業務で大きく困ることが少なくなるくらい理解できると思われます。AWSを初めて勉強する方におすすめです。

ゼロからわかるAmazon Web Services超入門はじめてのクラウド
実際にAWSを使っている方は、本書を参考にしてAWSの設定方法を学べます。AWS初心者の方でも基本的な内容を理解することの出来る内容になっています。

AWSクラウドの基本と仕組み
AWSの概要や導入するメリットが書かれている基礎的な内容を学ぶことのできる本です。AWS初心者の方でも理解しやすい内容です。

AWS設計スキルアップガイド
AWSの設計に関することを網羅的に書かれています。200以上のサービスの中から設計という観点から絞り込み、本当に必要なものだけをくわしく紹介しています。また、設計を自分の力で進めていくために必要となる知識も記載しています。

学習サイト

学習サイトを使った勉強は、手を動かした学習がしやすいというメリットがあります。学習環境をサイト側で用意する場合もあるため、実践的な学習をすぐスタートさせられます。

参考学習サイト

AWS公式ドキュメント
AWSでは公式サイトに学習コンテンツが用意されていて無料で学習ができます。アカウントを作成することで閲覧が可能です。オンラインセミナーも用意されているので、予備知識がない状態で初めても一定のスキルが身につけられるようになっています。

スクール・研修

スクール・研修の受講は、高い学習効率が期待できる勉強方法です。スクール・研修の受講では、独学よりも効率的に学べます。経験豊富なエンジニアによって作られたカリキュラムに沿って、要点を押さえながら勉強が進められるでしょう。

「ITスクールは費用が高額なので、もう少しコストを抑えたい」という方におすすめなのが、動画を活用したサイトでオンライン研修を受講する方法です。なお、オンライン研修が動画配信のみの場合、講師からの直接指導がないことにより達成感や前向きなフィードバックを即座に得ることが難しい場合があるため、リアルタイム受講で実施されるオンライン研修の方が効果的です。本格的にAWSエンジニアを目指すのであれば、ぜひ受講を検討してみてください。

AWS初級者向け勉強ステップ

初級者の方は、以下の勉強ステップを順序立てて進めていくことをおすすめします。

AWS 公式ドキュメントから基本を学ぶ

AWS 公式ドキュメントには、AWS のサービスに関する詳細情報が掲載されています。最初は、AWS が顧客に選ばれる理由、ビジネスでの活用事例、ビジネスにもたらす効果を事例ベースで学びましょう。AWS でどういうことができるのか、クラウドのメリットとは何かを理解することで、AWSを勉強することの理由と勉強後のイメージが想像できるようになります。

AWS の無料利用枠を利用する

AWSの無料利用枠を活用して実際に手を動かして学ぶことは、勉強方法として非常に効果的です。理論知識だけでなく、実際にサービスを操作することで具体的な理解を深めることができます。

AWS のハンズオンラボを受講する

AWSのハンズオンラボを受講するという手段も有効な学習方法です。これらの教材は、実際の操作を通じてAWSの各サービスの使用方法を学べるようになっています。10分程度で完了する初級ハンズオンは、画面キャプチャ付きの手順が明記されており、初級者でも理解しやすい構成になっています。

AWS中級者向け勉強ステップ

中級者の方は、以下を通じてサービスを深く理解していきましょう。

AWS各サービスを深く学ぶ

AWSには、200以上のサービスがあり、そのすべてを深く学ぶことは困難です。そのため、中級者向けの勉強方法として自分が興味のあるサービスや、自分の仕事で必要になるサービスに絞って、深く学ぶことをおすすめします。

AWSクラウド設計・運用のフレームワークを理解する

AWSには様々なクラウド設計・運用のフレームワークが存在しますが、その中でもよく知られているフレームワークに、以下のようなものがあります。

  • AWS Well-Architected Framework
  • AWS DevOps Foundations
  • AWS Security Best Practices

現場で採用されているフレームワークを確認し、AWS公式ドキュメントと比較して全体像を体系的に学ぶことで、各システムに対する詳細なイメージが持てるようになります。

AWSのセキュリティ、運用について学ぶ

AWSのセキュリティや運用について学ぶことで、AWSのシステムをより安全に運用できるようになり、現場におけるインシデントのリスクを軽減することに繋がります。学習方法としては、AWSのセキュリティに関するドキュメントを読むことで、セキュリティの基礎知識を学べます。また、AWSのセキュリティに関する認定資格試験を受けることで、知識を身につけられるだけでなく有識者としてアピールもできるでしょう。

まとめ

本記事では、AWSの勉強方法とスキル習得のメリットについて解説しました。AWSエンジニアになる勉強方法は、書籍や学習サイトを使った独学と、スクール・研修を受講する方法がありますが、以下の特徴を踏まえて、スクール・研修の受講をおすすめします。詳細は以下の表をご確認ください。

スクール・研修独学(書籍・学習サイト)
メリット・講師から専門的な指導が受けられる
・疑問点があれば、すぐに確認できる
・開発環境等、学習環境が用意されている
・同じ目的を持つ仲間と出会える
・現場で使えるスキルを学べる
・学習費用がスクール・研修に比べて安くなる
・自分に合う参考書を選ぶ事ができる
・自分の自由な時間や場所で学習できる
デメリット・学習費用(受講料など)が独学に比べて高くなる
・受講者のレベル感にばらつきがあると研修満足度が低くなる
・受講できる期間や場所が限られる
・疑問点があっても、すぐに答えが得られない
・開発環境等、学習環境を揃える必要がある
・孤独のため、モチベーションの維持が難しい
・最新技術や現場で使われる技術の習得が難しい

なお、AWSエンジニアに欠かせない技術を学べる「BFTチョイトレ」を受講すれば、最初に学ぶべきスキルを身につけられます。独学でのデメリットも無く、初心者の方でもスムーズに取り組むことができます。AWSエンジニアを育成したい企業の担当者の方は、ぜひBFT道場チョイトレの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

BFT道場チョイトレとは?

「BFT道場チョイトレ」は、多忙な現場で活躍するエンジニアたちに広く利用されているIT研修サービスです。定額制・受け放題の体系により、限られた予算の中でも多数の社員に学習の機会を提供することができます。また、受講者はご自身のスキル向上プランに合わせてコースを選ぶことが可能です。

BFT道場チョイトレの特長

業務都合に合わせて講義を選択できる

チョイトレは1回3時間の研修を受講者のスケジュールに合わせて自由に選択できます。3か月先までの開催スケジュールをカレンダー形式で見れるため、ご自身の業務都合を考慮したうえで受講スケジュールを調整できます。

3営業日前まで予約ができる

チョイトレは予約専用サイトから3営業日前まで受講予約が可能です。忙しく日々予定が変化しやすい現場のエンジニアの方も、少しの時間を有効活用し、スキルアッププランを実現できます。詳しくは以下をご確認ください。

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