各企業を取り巻くIT環境の変化に対応する必要に反して、IT人材の不足が度々取り上げられています。IT人材の不足は企業の生産性の低下や競争力の低下を招くだけでなく、日本の経済成長にも悪影響を及ぼします。この問題解決としては、エンジニア研修は有効な選択肢です。
本記事では、エンジニア研修の目的と種類別の特徴について解説します。エンジニア研修の実施を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
エンジニア研修とは
エンジニア研修とは、エンジニアを対象として実施されるITに関する知識や実践的スキルを指導する研修です。エンジニア研修の内容は多岐にわたり、新人エンジニア向けにITリテラシーを教えるものもあれば、業務経験があるエンジニアがさらなるキャリアアップのために受講するものもあります。システムエンジニアの育成を目的としている場合、以下のような内容の研修が一般的です。
- システムエンジニア研修(システム・ソフトウェアの設計・開発)
- サーバーエンジニア研修(サーバーの企画・設計・構築)
- ネットワークエンジニア研修(ネットワークインフラの企画・設計・構築)
- セキュリティエンジニア研修(セキュリティに配慮したシステムの企画・設計・構築)
エンジニア研修の目的
エンジニア研修は、基本的にはエンジニアのスキルアップを目的として実施されます。ここでは、エンジニア研修の目的として以下をご紹介します。
技術の習得
エンジニア研修の最大の目的は、エンジニアに技術を習得させることです。日々の業務の対応をしながら新しい技術を習得するのは難しく、エンジニアへの負担にもつながります。そこで、研修という形で纏まった時間を設けて勉強してもらうことにより、技術の習得をより効果的に進められます。
また、独学による学習はどうしても効率が悪くなりやすいものです。研修を実施すれば、高度なスキルを身につけたエンジニアによる指導を直接受けられることもあるため、独学よりも深く効率的な学習が期待できます。
問題解決能力の育成
研修によってエンジニアが身につけられるのは、技術や知識ばかりではありません。問題解決能力の育成も、エンジニア研修の目的の1つと言えるでしょう。開発をはじめとするエンジニアの業務には、エラーや不具合といった問題がつきものです。知識を身につけることも大切ですが、知識を活かして問題を解決する力も養う必要があります。
エンジニア研修の中には、手を動かしながらインフラ環境の構築にチャレンジするもの、チームを組んで短期間の開発プロジェクトを遂行するものもあります。こうした実践的な研修を受講することで、エンジニアに必要な問題解決能力を養うチャンスも生まれるでしょう。
学習習慣の確立
学習習慣を確立することも、エンジニア研修の目的の1つです。特に新人エンジニアの場合、どのように技術を学んでいけば良いのか分かっていないことも多いでしょう。定期的に研修を受講してもらうことで学習習慣の確立を促すと同時に、スキルアップの流れや学習の手順を体験してもらうこともできます。研修をきっかけに、自発的に学習に取り組めるような意識改革や習慣づけを行うことも、エンジニア研修の目的の1つです。
エンジニア研修の種類
エンジニア研修にもさまざまな種類がありそれぞれに特徴があります。ここでは、以下の5つのエンジニア研修について解説します。
座学による研修
一般的に受講者を集めて座学研修を実施している企業も多いのではないでしょうか。特に経験が浅いエンジニアに対しては、基礎的なITリテラシーを身につけてもらうために座学研修を実施することも多いでしょう。
座学研修のメリットは少ないスタッフでも実施でき、基本的な概念や考え方、用語等を教えられるというメリットがあり、一定の効果が期待できます。その反面、実践的・技術的な事柄の指導には不向きです。
OJT形式による研修
OJTとはOn-the-Job Trainingの略で、実務に携わりながら、必要なスキルを身につけていく研修方法です。座学とあわせて実施している企業も多いのではないでしょうか。OJTにはコストを抑えながら実践的なスキルを教えられるというメリットがあります。早い段階から業務に触れてもらうことで、人材の早期戦力化も期待できるでしょう。
一方、現場任せになってしまい体系的・基礎的な知識が十分に身につけられないというデメリットがあります。指導方針が現場に一任されていることもあり、教える側の社員の能力に依存してしまうことも課題です。
プログラミングスクールによる研修
プログラミングスクールといえば、エンジニア志望の個人が受講するというイメージがあるかもしれませんが、法人向けの研修コースを提供しているスクールもあります。プログラミングスクールによる研修は、経験豊富なエンジニアによって構成されたカリキュラムに沿って受講することができます。
また、受講者それぞれのスキルや習熟度に合わせた指導も行っています。自社で実施するよりも高い教育効果が期待できます。
ブートキャンプ形式
ブートキャンプはアメリカのシリコンバレーにて始まった短期集中型で、プログラミングに必要なスキルを学ぶ方法です。数人がチームを組んで開発したいシステムを決め、スキルを習得しながら期間内の完成を目指す研修スタイルです。経験豊富なエンジニアに指導者としてサポートしてもらい、短期間で実践的なスキルを学びながら開発プロジェクトの流れを体験できます。
スクールの受講と同じくコストはかかりますが、短期間で高い効果が期待できる点が評価されており、採用する企業も増えている研修です。
オンライン研修
エンジニア研修の主流となりつつあるのが、オンライン研修です。インターネットを通じてリモートで実施でき、社内・社外研修としても採用されています。リアルタイムに講義を実施する形式と、オンデマンドで映像を閲覧する形式があります。オンライン形式は講師と直接コミュニケーションがしやすく、オンデマンド形式の方は好きな時間に映像を視聴できるという特徴があります。
オンライン研修は、時間や場所の制限がなく自由度が高いです。また、実際に手を動かして学習できるような環境を整えている研修も多いため、実践的な学習をしやすいのも大きなメリットです。
エンジニア研修を進めるポイント
エンジニア研修は、外部企業に依頼さえしておけば良いというものではありません。研修の効果を高めるために、社内でも注意すべきポイントがあります。エンジニア研修を効果的に実施するために、以下のポイントに注目してみてください。
エンジニアの能力を正しく把握する
研修を実施する際は、受講するエンジニアの能力を正しく把握しましょう。エンジニアによってスキルレベルや適性、興味・関心は異なるものです。同じ研修を実施しても、成果につながるエンジニアもいれば、ついていけないエンジニアもいます。エンジニアの能力を正しく把握して、それぞれのスキルレベルや関心にあった研修を実施しましょう。本人とも細かくコミュニケーションをとって、適切な研修を選ぶ必要があります。
研修実施後のフォローを行う
研修を実施したものの、「その後の業務やスキルアップにつなげられなかった」という失敗は珍しくありません。研修実施後は、感想をヒアリングしたり、今後の案件やキャリアプランについて相談したりといったフォローを行う必要があります。研修を実施したままにならないよう、その後のスキルアップまで導いてあげられるようなフォロー体制を確立しましょう。
主体的に学ぶ姿勢を身につけてもらう
研修だけでスキルアップしてもらうのではなく、エンジニア自身に主体的に学ぶ姿勢を身につけてもらいましょう。エンジニアとして成長するためには、結局のところ自発的な学習が欠かせません。研修の場を提供することも大切ですが、研修をきっかけに自発的に学習してもらえるような仕組みを考えることも必要です。資格取得支援や技術書の購入補助など、研修以外でも自主学習を進められるような制度や仕組みを検討してみてください。
受講者に研修内容と目的を理解してもらう
受講者に研修内容と目的を理解してもらいましょう。「上司から受けるように言われたから」といった理由で研修に参加するのではなく、事前に研修内容を確認してもらい、目的も伝えておきましょう。「今後クラウド関係の案件に参画してもらいたいから、AWSの研修を受けて欲しい」などと言った目的を伝えることで、エンジニアもモチベーションを持って研修に臨みやすくなるでしょう。
まとめ
本記事では、エンジニア研修について解説しました。エンジニア研修には、スキルアップや問題解決能力の向上はもちろん、エンジニアに欠かせない学習習慣を確立してもらうという目的もあります。優秀な人材を育成するためには、エンジニア研修を効果的に活用しましょう。
なお、エンジニアに欠かせない技術を学べる「BFTチョイトレ」を受講すれば、学ぶべきスキルを身につけられます。エンジニアを育成したい企業の担当者の方は、ぜひ「BFT道場チョイトレ」を用いた研修を検討してみてはいかがでしょうか。
BFT道場チョイトレとは?
「BFT道場チョイトレ」は、多忙な現場で活躍するエンジニアたちに広く利用されているIT研修サービスです。定額制・受け放題の体系により、限られた予算の中でも多数の社員に学習の機会を提供できます。受講者はご自身のスキル向上プランに合わせてコースを選ぶことが可能です。
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チョイトレは1回3時間の研修を受講者のスケジュールに合わせて自由に選択できます。3か月先までの開催スケジュールをカレンダー形式で見れるため、ご自身の業務都合を考慮したうえで受講スケジュールを調整できます。
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チョイトレは予約専用サイトから3営業日前まで受講予約が可能です。忙しく日々予定が変化しやすい現場のエンジニアの方も、少しの時間を有効活用し、スキルアッププランを実現できます。詳しくは以下をご確認ください。