目次
はじめに
スマートフォンは皆様の一番近くにあるIT機器であり、ITに触れる窓口でもあります。そのため、生活には欠かせないアイテムとなっています。しかし近年、スマートフォンの高性能化に伴って価格も高騰し、故障時や紛失時に大きな出費が掛かるようになっています。そんな時のために役に立つのが補償サービスです。そこで、スマートフォンの補償について考えてみることにしました。
そもそも補償に入る必要はある?
スマートフォンの補償は、スマートフォンが破損や故障した際に、修理代金の一部もしくは全部を負担してくれるサービスです。サービスによっては、紛失や盗難に遭ったときも補償金を受け取ることができます。
Appleでの正規修理は、画面損傷の場合は2~3.5万円前後、それ以外の箇所が故障した場合は3~6万円前後が相場価格となっています。ケースや保護シールを付けていても、落として画面が割れる、経年劣化で故障することは起こり得ます。実際、画面が割れたままのスマートフォンを使用している方は少なくないでしょう。その多くが、修理費用が高額になるので、修理を躊躇してしまっているのではないでしょうか。
また、盗難・紛失で買い替えとなると10万円前後は必要になりますので、補償料で購入代金をカバーできるのであればそれに越したことはないでしょう。
キャリアの 補償に入るのが正解?
多くの方はdocomo、au、SoftBankをはじめとした大手キャリア3社で回線を契約し、スマートフォンを購入されていることかと思います。その際に、「端末の補償はどうされますか?」と聞かれたこともあるでしょう。まずはそちらの補償を確認してみましょう。
docomo
- 月額 約550 ~ 1,100円/月 機種によって異なる 770円/月が最多
- 加入している間、1年間に2回まで補償
- 保証対象外の故障は、iPhone・iPad以外は上限3300円まで、iPhoneは上限5500円までサポート
- 紛失、全損時などの際に8250円〜12100円の負担でリフレッシュ品に交換(加入コースによって異なる)
docomoが提供している「ケータイ補償サービス」です。代替品貸出あり、紛失時にも対応など全方向をカバーできているのが特徴です。他大手キャリアと比べて費用が若干高いのも特徴です。
au
- 月額約693~726円/月(機種によって異なる)
- 加入している間、1年間に2回まで補償
- 故障、紛失、全損時などの際に2200~8800円の負担でリフレッシュ品に交換
auが提供する「故障紛失サポート」です。修理の際の免責、交換品手配の際の負担金が少なく、当日のうちに届けるなどのサービスもあります。おそらく大手キャリアの中では補償のサービスは一番手厚いのではないでしょうか。
SoftBank
- 月額 約715円/月
- 加入している間、1年間に最大2回まで補償 (1度使用すると6ヶ月使用不可)
- 故障時の修理代金を負担
- 全損時などの際に免責金5,500円で修理代金を負担
- 紛失時は同一機種を会員価格で機種変更可能
- 8,250円の負担でリフレッシュ品に交換
SoftBankが提供する「あんしん保証パックプラス」です。紛失時の対応がなく、あくまで「交換」であるため、他大手キャリアの補償に比べて、範囲が狭く、内容も弱いように見えます。
AppleCare+
- 月額約480~1350円/月 機種によって異なる 一括の金額を24分割
- 保証期間は2年間
- 画面割れ:3,700円などの免責金の負担のみで修理・交換の対応
- 代替機の貸し出しはなし
- プランにより紛失にも対応
Appleの提供する公式の補償です。本来であれば一括の購入金額となりますが、他サービスと比較しやすくするために月額換算で表示しています。他にもiPhoneに関するソフトウェアのサポートなどもついています。各大手キャリアでもAppleCare+を提供しており、その場合は分割での加入が可能です。
大手キャリアの補償は内容が手厚く、一部を除き紛失までカバーすること、修理期間中の代替機貸し出しのサービスがあることが特徴です。他にも故障した際のリフレッシュ品との交換というのが大きな特徴です。過去に破損や紛失の経験がある、おおよそ2年間で定期的に機種変更をする、2年間で2回程度修理をしたことがあるという方は、補償に加入されておくのがおすすめだと思います。
携帯会社以外の 補償 はあるのか?
ただし、ahamo、povo、LINEMOといった新しいプランが発表され、月々の携帯料金の値下げが進む中で、月額700円程度(2年間で約20000円)というのは少し高いようにも感じます。また、スマートフォン購入時に補償に入らなかった方、SIMフリースマートフォンを利用されている方などは、大手キャリアの補償には途中加入できません。このようなことに該当する場合に取れる選択肢が、いわゆる損害保険に加入する方法です。いくつものサービスはありますが、いくつかピックアップして紹介します。
この情報は記事執筆時点での情報となります。
補償内容の変更の可能性があることにご注意ください。
モバイル保険
- 保険料は700円/月で修理費用を最大10万まで補償
- 修理不能時は最大2万5000円まで補償
- 1契約で3端末まで補償可能
- モバイル端末全般を補償 (加入は購入から1年未満)
- 紛失は対象外
MVNO(格安SIM)やSIMフリー端末(格安スマホ)登場が話題になり始めた頃などの比較的早期から存在するサービスです。さくら少額短期保険株式会社が提供しており、3端末まで補償することが大きな特徴です。
Bluetooth、Wi-Fi接続できる機器であれば対象となるので、Air PodsなどのBluetoothイヤホンも補償の対象となります。ただし、紛失は対象外となっているため、注意が必要です。
他のスマートフォン向け補償を探すのであれば、この保険を基準にすると良いかもしれません。
クロネコ「スマホもしも保険」
- 保険料は200〜470円/月で修理費用を最大5万円〜10万円まで補償
- 盗難・紛失時は端末価格の50%(最大10万円)まで補償
- 保険期間(1年間)最大20万円まで
- 面倒な手続きをヤマトロジスティクスが代行
- 修理の間、代替機を有料で貸し出し
ヤマトロジスティクス株式会社提供するスマートフォンの補償です。Mysurance株式会社が提供する「スマホ保険」が中身なのですが、面倒な手続きの代行や、有料ではあるものの代替機の貸し出しサービスが有るのが大きな特徴です。
大手キャリアでは、修理中の貸出機のサービスがあるのは当たり前でしたが、MVNO(格安SIM)では端末を同時購入していても、貸出機のサービスはないのがあたりまえです。
そのため、このサービスは非常にめずらしく、有用と言えるでしょう。
また、紛失を対象とするのも嬉しいポイントで、他のキャリア以外のスマートフォンの補償との大きな差別化を図っています。
まるごとマモル
- 保険料は約260円/月で修理費用を最大10万円まで補償 (3,140円を12分割)
- 月額+110円/月で同居の家族も対象
- 携行品扱いであれば何台でも、なんでも補償
- 保険期間(1年間)最大20万円まで
- 紛失は対象外
- ネットでの申込みは不可
日本生命相互保険会社が提供し、引受保険会社はあいおいニッセイ同和損保保険株式会社の傷害保険です。メインは個人賠償責任保険ですが、携行品特約を付帯することによりスマートフォンや、パソコン、デジタルカメラなどの携行品が保証対象となります。
補償対象が広く、1,300円/年で家族のスマートフォンもカバーできるのが最大の特徴です。
他にも個人賠償責任保険がメインとなっていますので、自治体によっては加入が義務化されている自転車保険の加入にも対応しています。
大手キャリア以外の保証サービスの特徴としては、紛失時は対象とならないこと、貸出機のサービスがないことがほとんどです。ですが、まるごとマモルの場合は複数台を対象とできること、1台あたりの費用は比較的安価に済むことが大きなメリットです。そのため、MVNO(格安SIM)やSIMフリー端末(格安スマホ)を使用しているが、保証は欲しい方、大手キャリアの補償ほど手厚くなくてよいが、万一の際には補償があると嬉しいと感じる方にはおすすめの内容となっています。
この情報は記事執筆時点での情報となります。
2021年7月1日に約款の改定があり、現在はスマートフォンなどは補償の対象外となっています。
今後も内容に変更がある可能性がありますので、ご注意ください。
筆者はSIMフリー端末(格安スマホ)で回線はdocomoという契約で、タブレットPCやデジタル一眼レフも持ち運ぶため、「まるごとマモル」に加入しています。
まとめ
今回は、身近なデジタル機器、ITにふれる入り口であるスマートフォンの「補償」についてご紹介させていただきました。
紛失までカバーして欲しい、修理期間中の代替機貸出も欲しい、過去に紛失した経験がある、10万円を超えるような高価なスマートフォンを使用している、という方は大手キャリアの補償に加入されておくのがおすすめです。
MVNO(格安SIM)やSIMフリー端末(格安スマホ)を使用しているが補償には加入したい、スマートフォンを複数台持っている、故障時の費用を負担してもらいたい、紛失時はあきらめて買い換える、といったように、ある程度割り切って考えていらっしゃる方はスマホ保険による補償がおすすめです。
本記事を通して、ご自身に合った補償をうまく選んで、よりよいデジタルライフをおくるきっかけになれれば幸いです。
なお、本記事でご紹介している保険のうち、まるごとマモルを実際に使ってみて、具体的にどんなことが必要でどこまで補償されたかについて、以下の記事でまとめておりますので合わせてご確認ください。