ここ数年で、オンライン会議はビジネスの場でとてもメジャーな手段になりました。場所を選ばずにコミュニケーションを取れるのがオンライン会議の魅力ですが
「話す内容を聞かれたくない」
「スピーカーで再生すると他社員の迷惑になる」
などの理由からマナーとしてイヤホン、ヘッドセットの装着は必須であるといえます。 
この記事では、自分に合ったイヤホンを選ぶことができるようにイヤホンの種類やそれぞれのイヤホンの利点について詳しくご紹介します。

イヤホンの種類

イヤホンは端末機器との接続方法と耳に装着するイヤホンヘッドの形によっていくつかの種類に分けられます。
例えば、イヤーピースの付いた普通のイヤホンは『有線 – カナル型』、AirPodsのようなそのまま装着する無線イヤホンは『無線 – 完全ワイヤレス – インナーイヤー型』のように分類されます。
それぞれで音の聴こえ方、装着感などが違うのでその種類についてみてみましょう。

コードの有無

有線イヤホン

端末にコードで接続するタイプのイヤホンです。
対応する接続口によって3.5mmジャック、USB Type-C、Lightningイヤホンなどがあります。
イヤホンといえば有線のイメージもあり、流通している中ではもっとも種類が豊富です。

ワイヤレスイヤホン

コードのわずらわしさがなく、満員電車や人ごみの中でも快適に音楽や動画を楽しめます。
その反面、有線イヤホンと違ってイヤホン本体を充電する必要があります。
連続稼働時間は製品ごとで変わり、ワイヤレスイヤホンの中でも形状でいくつかのタイプに分類できます。

ワイヤレスの特徴

◆完全ワイヤレス型

ワイヤレスイヤホンの中で、左右のイヤホンが独立しているのが完全ワイヤレスイヤホンです。
一番のメリットはケーブルのわずらわしさがまったくなくなること、そして有線イヤホン特有の接続口のずれによるノイズから解放されるのも魅力の一つです。
ただ、耳のサイズに合ったものを選ばなければ耳からイヤホンが外れて紛失する可能性が非常に高いです。
人気が高いため種類も多く、たくさんの選択肢があります。

◆左右一体型

左右のイヤホンがケーブルによってつながれているのが左右一体型です。
ケーブルのわずらわしさやノイズを抑えつつ、イヤホンが落下するリスクを減らします。
イヤホン部分に磁石が内蔵されているものなら首に引っ掛けて持ち歩くことも可能です。
左右一体型は、断線すると使えなくなってしまうのがデメリットです。

長く使っていたい方はケーブルを交換できるイヤホンを購入するのがおすすめです。

◆ネックバンド型

首にバンドをかけて使用するタイプのワイヤレスイヤホンです。
しっかり首にフィットするバンドを装着するため、落っことしたりなくしたりしにくいです。大容量のバッテリーを搭載している製品もあるため、一度の充電で長時間の使用が可能です。
デメリットはネックバンドのわずらわしさです。

実際に装着してみてサイズや重量のバランスがよい製品を選ぶことが失敗しないコツです。

形態別メリットデメリット
有線イヤホン充電切れの心配がなく
接続が安定しやすい
断線によって使えなくなってしまう
コードの届く範囲でしか動き回れない
完全ワイヤレス型ケーブルのわずらわしさがない
収納性が高い
本体が小さく紛失しやすい
充電容量の小さいモデルが多い
左右一体型紛失しにくい
無線初心者もなじみやすい
コードの断線などにより使えなくなってしまう
コードが引っかかってしまう可能性がある
ネックバンド型充電が長持ちする
装着時の安定性が高い
ネックバンドが煩わしい
運動中は外れやすい

イヤホンヘッド

◆カナル型

耳栓のようにフニフニとしたイヤーピースを耳にはめて音を聞くタイプのイヤホンです。
耳と密着しているため、音の漏れが少なく端末からの音が聞きやすいというメリットがあります。
外部の音が取り込みづらいので屋外での使用には注意が必要で、自分の耳にあったイヤーピースを使わなければ窮屈で耳が疲れてしまうのがデメリットです。

自分に合ったサイズのイヤーチップを設定することが快適に使用するコツです。

◆インナーイヤー型

耳のなかにイヤホンヘッドを引っ掛けるようにして装着するタイプのイヤホンです。
普通の会話と同じように自然な音で聞くことができます。
イヤホンが耳に密着しないため、外部の音を聞き取りやすいのが特徴で車内アナウンスや友人、同僚に話しかけられた時も簡単に気づけます。
しかし、耳とイヤホンの間に隙間ができる関係上、音が漏れやすい。耳に引っ掛けているのみなので外れやすいなどのデメリットがあります。

自分の耳のサイズに合ったものを選ぶことが重要です。

◆耳掛け型イヤホン

付属しているイヤーフックを耳の外側に引っ掛けるようにして装着するタイプのイヤホンです。
耳にがっちりと固定されるので、装着中に動いても外れにくいのが特徴で、通常のイヤホンと違って耳から離れた場所で音を鳴らすため、あまり鼓膜に負担がかかりません。
耳周りの肌に密着することになるので夏場は汗ばんだりして鬱陶しく感じてしまうかもしれません。また、耳との隙間により非常に音が漏れやすいデメリットがあります。
音が漏れず、外れにくいメリットが合体した耳掛けカナル型というハイブリッドのイヤホンも存在しますが、近年は人気が低く、市場に出回っている種類も少ないです。

装着方法別メリットデメリット
カナル型音が漏れづらい
迫力のある音
細かな音まで聴こえやすい
聴き疲れしやすい
インナーイヤー型バランスの良い音
外部の音が聞きやすい
音が漏れやすい
耳から外れやすい
耳掛け型外れにくい
長時間聴いても疲れにくい
音が漏れやすい
耳に熱がこもりやすい

オンライン会議で使うイヤホン

オンライン会議において、マイクの性能はとても大切です。
パソコンに元から備え付けられているマイクは多くの場合そこまで性能の良いものではありません。パソコンに向かって真っすぐ話しかけなければ声が届かなかったり、逆に環境音を拾いすぎて肝心の自分の声が届けられなかったりといった欠点もあります。
なので、特に事情がなければ会議用で新しく使うイヤホンはマイク付きのものがよいでしょう。
上に書いてある通り、イヤホンは種類によって良さが異なるため『オンライン会議に最適なイヤホン』は一つに絞るのが難しいです。
なので今回は社内でそれぞれのイヤホンの良さについて聞いてきたので、それをご紹介します。

有線イヤホンのケース (有線 – カナル型)

>私はもともとワイヤレスイヤホンを使っていたのですがそのとき接続が混線してスピーカーで会議を開いてしまいました。無線だからこそ接続先端末がわかりにくいこともあって、それ以来有線接続のイヤホンを使っています。

>ワイヤレスイヤホンは持っていますが、プライベート用で使っています。仕事で使うイヤホンは別で持っておきたいので、比較的安価で購入できる有線イヤホンを購入しました。

>私は普段から有線のイヤホンを使っています。オンラインゲームなどをプレイする場合、ワイヤレスイヤホンでは音声にラグが生じてうまくプレイできないことがあるので有線の方がいいですね。ワイヤレスイヤホンと違って紛失しにくいのも理由の一つです。

マイク付き有線イヤホンの価格帯は安価なものならば1,000円程度あれば購入できます。
音質にこだわるならば3,000円以上のイヤホンを購入した方がよいでしょう。幅広く普及しているため、継続的に使用している方も多くみられます。
イヤホンが端末とケーブルで直接つながっていることの安心感はことオンライン会議においてワイヤレスイヤホンにはない大きな魅力となるようです。

ワイヤレスイヤホンのケース
(無線 – 完全ワイヤレス – インナーイヤー型)

>僕は断然ワイヤレスイヤホン派ですね。ケーブルが煩わしいですし、ちょっと値が張りますが現在使っているイヤホンはハンズフリーで通話できて耳元で音量調節などもできます。
会議中に手元で紙の資料を読んだり書き込んだりもするので都合がいいです。

>特にこだわりはないですが、通販サイトをのぞいてみるとワイヤレスイヤホンがランキング上位を占めています。ワイヤレスは高価だった印象もありましたが、今では10,000円以下でよさそうなものが購入できることもあって奮発してしまいました。

>私はランニングが趣味なので、激しく動いても大丈夫なように耳掛け型のワイヤレスイヤホンを使っています。今は防水でバッテリーも長持ちするタイプを使っていて、仕事で使う際もこのイヤホンを使っています。

ワイヤレスイヤホンは有線に比べて高価です。
しかし、メーカーの努力によってその価格は抑えられてきてもいます。もともと10,000円前後なければ買うことができなかったフルワイヤレスイヤホンも3,000円で購入できるようになりました。
以前よりは値段による敷居が低くなった分、購入を検討してみてはいかがでしょうか。

耳が痛くならないイヤホン

イヤホンが自分の耳に合っていない、イヤホンを長時間使用した場合気になるのが耳の痛みです。
カナル型イヤホンならイヤーピースは付け替え可能なものが多く、自分の耳に合ったイヤーピースを別で購入して付け替えることもできます。高額になりますが、オーダーメードイヤホンというのもあり、自分の耳にちょうどフィットするようなイヤホンを作ってくれるサービスです。
どうしても合うイヤホンが見つからない場合は鼓膜にかかる負担を少なくするアプローチもできるでしょう。

そんな人におすすめなのが骨伝導イヤホンです。

>骨伝導イヤホンを使っています。オンラインとオフラインのハイブリッドで登壇して話しているため、通話の音声と現場の音声を並行で聞く必要があるからです。
骨伝導は普通のイヤホンと違ってスピーカーから流れてくるように聞こえます。装着した時も耳をふさがないので耳の中が痛くなったり、大きさの都合で耳から零れ落ちてしまうこともなくて快適ですよ。

骨伝導イヤホンはまだほかのイヤホンに比べて音が漏れやすい欠点がありますが、カフェやオフィスくらいなら気にならないほど漏れる音は微量になってきています。

種類も豊富になっているので検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回はイヤホンについての記事を書かせていただきました。
執筆の途中で同僚や職場の方に話を聞いたのですが、それぞれのイヤホンにこだわりを持っていたり、はたまた使えれば何でもいいと言っている方もいたりでなかなかおもしろかったです。
最近ではイヤホン自体にコンピューターが内蔵されていて、スマートフォンなどに接続せずともイヤホン単体で音楽を再生できるものもあったりします。ワイヤレスイヤホンがずいぶん安くなっていたり、イヤホンの世界は広くて開発の速度も増しているように感じました。

この記事を読んで、欲しいイヤホンの方向性に気づけた方がいれば嬉しいです。