Linuxの勉強方法とは？初心者から始めるLinux学習ガイド

Linux（リナックス）は、カスタマイズ性の高いオープンソースのOSです。汎用性が高くLinuxをもとにしたさまざまなシステムが開発・提供されており、ビジネスでの利用範囲も多いのが特徴です。

Linuxエンジニアを目指すには、スキルの習得が欠かせません。しかし、経験のない方にとっては、どのような技術を何の方法で勉強すべきかわからないことも多いでしょう。事前に勉強方法を把握しておかないと、効率的な学習ができず挫折につながってしまうリスクもあります。

本記事では、Linuxの勉強方法を解説します。最後まで読むことで、Linuxの基本的な理解から上級者向けの学習方法まで、幅広い知識を身に着けられます。Linuxの学習にご興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

Linuxとは

Linux（リナックス）とは、オープンソースのオペレーティングシステム（OS）で、フィンランドのリーナス・トーバルズによって1991年に開発されました。Linuxは誰でも自由に使用して改変ができるためカスタマイズ性に優れており、サーバーやネットワークの構築・運用に広く使われています。また、Linuxは自由度の高さから個人のPCから大規模なサーバー、組み込みシステムまで幅広い環境で利用されています。

Linuxを勉強するメリット

ITエンジニアとしての成長につながる

Webアプリ開発やIoT開発などITの最先端分野でもLinuxは欠かせません。Linuxの利用分野はアプリケーション開発や組み込みシステム、サーバー構築まで幅広いです。関わることのできるプロジェクトは多く、それだけ多くの知識やスキルを身に付けられます。ITエンジニアとしての成長にもつながるでしょう。

キャリアチェンジ時にLinuxの知識が必要になる場合がある

LinuxはPHP、RubyなどのLAMP環境を利用するWebエンジニアなどの職種で必要とされるOSです。インフラエンジニアにおいてもサーバーやネットワークの設計・構築・運用保守を行う中でLinuxが利用されています。これらの職種へのキャリアチェンジをする場合に、スキルの習得が前提条件となる場合があります。

Linuxの勉強方法

書籍

書籍を使った勉強には、コストを抑えて自分のペースでスキルアップできるというメリットがあります。必要な知識が網羅的に書かれているため、特定の分野について体系的に学びやすい勉強方法です。手を動かしての学習や実践的なスキルの習得にはつなげにくいので、学習の際は他の方法もあわせて検討しましょう。

参考書籍

ゼロからわかる Linux超入門
Linuxの入門書として有名な一冊です。丁寧に初心者にもわかりやすいように書かれています。手軽にLinuxの概要を把握したい方におすすめです。

1週間でLPICの基礎が学べる本第2版
LPIC資格の取得などの対策本としても活用されている本です。初心者にも分かりやすいように体系的にまとめられているので、資格取得以外でも理解を深める事に有効です。

独習Linux 第2版
基礎固めをしたい方に良い内容です。入門書としても活用できて、Linuxの基礎をより固めたいという方にも最適です。

スクール・研修

スクール・研修の受講は、高い学習効率が期待できる勉強方法です。スクール・研修の受講では、独学よりも効率的に学べます。経験豊富なエンジニアによって作られたカリキュラムに沿って、要点を押さえながら勉強が進められるでしょう。独学ではなかなか難しい実機を使った学習ができるのもポイントです。

「ITスクールは費用が高額なので、もう少しコストを抑えたい」という方におすすめなのが、動画を活用したサイトでオンライン研修を受講する方法もあります。本格的にLinuxエンジニアを目指すのであれば、ぜひ受講を検討してみてください。

Linux初級者向け勉強ステップ

初級者の方は、以下の勉強ステップを順序立てて進めていくことをおすすめします。

Linuxの基礎知識を学ぶ

Linuxの公式ドキュメントには、初級者向けの資格「Linux Professional Institute Linux Essentials」についての詳細な情報が掲載されています。これらのドキュメントは日本語でも提供されているため、初級者でも安心して学習することができます。まずは、Linuxの基礎知識から学び始めましょう。Linuxが何であるかを理解することで、Linuxの学習の動機付けや学習後の応用イメージがより具体的になります。

Linuxの基礎操作を実際に動かして学ぶ

Linuxの基礎操作を学ぶためには、実際に手を動かして体験することが一番効果的です。始めに自分のPCに仮想環境としてLinuxをインストールします。Linux環境が構築できたら、ターミナル（コマンドライン）を開き、基本的なコマンドを打ち込んでみましょう。例えば、「ls」コマンドでディレクトリの中身を表示したり、「cd」コマンドでディレクトリを移動したりします。これらの基本的なコマンドに慣れることが、Linux操作の第一歩です。

Linux公式ドキュメントで実践的な課題に取り組む

Linuxの公式ドキュメントにおける各章の演習問題に取り組みましょう。Linux公式ドキュメントでは、Linuxの基本的な操作方法やコマンド、セキュリティ、ネットワークなど、実践的な課題に取り組めます。Linuxを使いこなすためのスキルが身に着けられます。

Linux中級・上級者向け勉強ステップ

中級者・上級者の方は、以下を通じてLinuxを深く理解していきましょう。

Linuxの資格を取得する

Linuxの資格として有名なものに「LPIC」「LinuC」があります。

LPICはLPI認定資格とも呼ばれ、世界中で実施されているLinux技術者認定試験です。また、Linuxプロフェッショナル認定資格とも呼ばれています。LPICは世界180か国以上で展開されており、2018年6月現在でのLPICの総受験者数は延べ60万人以上に上ります。

LinuCの正式名称はLinux技術者認定試験 LinuC（リナック）です。日本国内におけるLinuxの市場に最適化した日本独自のLinux試験として2018年度から実施されています。日本においてのLPIC試験を運営していたNPO法人LPI-Japanが作成したテストが、LinuCになります。また、LinuCは日本語環境に最適化されているため、公式サイトなどが日本語で理解しやすいのが特徴です。

特定分野の技術を学ぶ

特定分野の技術を学ぶことで、Linuxのスキルを深め専門的な知識を身につけることができます。システム管理、ネットワーキング、セキュリティ、開発などの特定の領域に焦点を当てて深く学ぶことが有効です。

Linuxコミュニティに参加する

Linuxコミュニティに参加することは、Linuxユーザーとの交流を通じて情報を得られ新しい視点や技術を学ぶことが可能となります。さらに、問題解決に役立つアイデアやヒントを得る絶好の機会です。自身の知識や経験を共有することで、学んだ内容をより深く定着させる機会にもなります。

自身の課題に合わせた研修を受講する

Linuxの中級・上級者向けとして、自身の課題に合わせた研修の受講が効果的です。個々のエンジニアにはそれぞれ学びたい領域が存在するため、一般的なカリキュラムだけではなく、個別のニーズに合わせた学習が必要となります。特定分野の研修や特定の問題解決に特化したワークショップなどが、このニーズに応える手段となります。自分自身の課題や目標に直接対応した学習を行うことで、効率的にスキルアップが可能となり、自身のキャリアパスにおいて最も必要とされる能力を獲得できます。

まとめ

本記事では、Linuxの基礎知識とレベル別におすすめの勉強方法について解説してきました。Linuxは幅広い分野で採用されています。そのため、Linuxを学ぶことによりIT業界で活躍するためのスキルを身につけられるでしょう。

Linuxエンジニアを本格的に目指す方は、スクール・研修の受講がおすすめです。経験豊富なエンジニアによる指導も受けられるので、Linuxエンジニアに必要なスキルを、独学よりも効率良く身につけられるでしょう。詳細は以下の表をご確認ください。

	スクール・研修	独学（書籍・学習サイト）
メリット	・講師から専門的な指導が受けられる・疑問点があれば、すぐに確認できる・開発環境等、学習環境が用意されている・同じ目的を持つ仲間と出会える・現場で使えるスキルを学べる	・学習費用がスクール・研修に比べて安くなる・自分に合う参考書を選ぶ事ができる・自分の自由な時間や場所で学習できる
デメリット	・学習費用（受講料など）が独学に比べて高くなる・受講者のレベル感にばらつきがあると研修満足度が低くなる・受講できる期間や場所が限られる	・疑問点があっても、すぐに答えが得られない・開発環境等、学習環境を揃える必要がある・孤独のため、モチベーションの維持が難しい・最新技術や現場で使われる技術の習得が難しい