IT技術の進歩に伴い、人々の暮らしに必要不可欠な物となっている情報インフラ。その情報インフラを支えるエンジニアがますます重要な存在となっています。しかし、どのような資格を取得すれば、最新技術を取り入れたインフラ技術に対応できるのでしょうか。

資格を取得することで、自分のスキルや知識を証明することができるだけでなく、キャリアアップや給与アップにもつながります。そのため、インフラエンジニアとしてスキルアップしたいと思っている方は多いでしょう。しかし、インフラエンジニアの資格は数多くあり、どれを選ぶべきか迷ってしまう方も多いでしょう。

本記事では、ITエンジニアとしてキャリアをスタートさせた若手インフラエンジニアのために、仕事を進める上で必要になるおすすめの資格25選を紹介します。クラウド利用の知識や、基本的なベンダー資格、国家資格も含め、インフラエンジニアに必要な知識やスキルを身につけることができるおすすめの資格を選びました。ぜひ参考にしてください。あなたのキャリアに必要な資格を手に入れ、プロのエンジニアとして成長しましょう。

インフラエンジニア

目次

最新技術に精通するために必要なインフラエンジニアの資格とは?

インフラエンジニア

インフラエンジニアとして、最新技術に精通するために必要な資格は、基礎的な知識やスキルを身につけることができるものです。例えば、ネットワークやサーバー、セキュリティなどのインフラの仕組みや構築方法を学ぶことができる資格です。これらの資格は、インフラエンジニアの仕事に必須な知識やスキルを習得することができるだけでなく、他の資格の取得にも役立ちます。おすすめの資格は以下の通りです。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は情報処理推進機構(IPA)が実施する試験で、ITエンジニアのキャリアを進む上で必須の内容となっています。情報処理に関する基礎的な知識を当試験です。ですが、基礎だからとおろそかにしてはいけません。最新技術に対応するにも基礎は重要です。

CCNA (Cisco Certified Network Associate)

CCNA (Cisco Certified Network Associate) はシスコシステムズ社のネットワーク技術者認定資格で、ネットワークの基礎知識や設計・構築・トラブルシューティングの能力を証明します。

LPIC(Linux Professional Institute Certification)

LPIC(Linux Professional Institute Certification)はLinuxの知識やスキルを認定する国際的な資格で、Linuxのインストール・管理・セキュリティ・ネットワーキングなどの分野をカバーします。

AWS認定ソリューションアーキテクト(Associate)

AWS認定ソリューションアーキテクト(Associate)はAmazon Web Services(AWS)のクラウドサービスを利用したシステム設計や運用の能力を認定する資格で、AWSの基本的なサービスや特徴・利点・制限などを理解していることが求められます。

これらの資格は、インフラエンジニアとして最新技術に対応できるようにするために有効なものです。しかし、資格だけでは十分ではありません。実際にインフラエンジニアとして働く中で、常に新しい技術やトレンドに目を向け、自ら学び続ける姿勢が必要です。インフラエンジニアは、IT業界の変化に柔軟に対応できるプロフェッショナルであるべきです。

クラウド技術に特化した資格を取得しよう!

クラウド 資格

最新技術に精通したインフラエンジニアになるためには、クラウド技術は重要な分野です。クラウド技術を使えば、柔軟かつ効率的にインフラを構築・運用・管理できます。しかし、クラウド技術は日々進化しており、常に最新の知識やスキルを身につける必要があります。そこで、クラウド技術に特化した資格を取得することがおすすめです。クラウド技術に特化した資格を取得することで、クラウドサービスの利用方法や設計原則、ベストプラクティスなどを学ぶことができます。また、クラウドサービスの提供者ごとに異なる特徴やメリット・デメリットも理解できます。おすすめの資格は以下の通りです。

AWS Certified Solutions Architect – Professional

AWS Certified Solutions Architect – Professionalとは、AWSで複雑なアプリケーションやシステムを設計、実装、評価する能力を認定する資格です。この資格は、AWSのサービスやベストプラクティスに精通し、ビジネスの要件に応じて最適なソリューションを提案できるプロフェッショナルであることを認定します。また、AWS CLIやAPI、CloudFormationなどのツールやスクリプティング言語についても知識が必要です。

Google Cloud Certified – Professional Cloud Architect

Google Cloud Certified – Professional Cloud Architectとは、Google Cloud テクノロジーを使用した特定の職務の遂行能力を評価する認定資格です。クラウドソリューションの設計、管理、セキュリティ、最適化などのスキルが問われます。Google Cloud のアーキテクチャやサービスに精通し、ビジネス目標を達成するための堅牢で安全なクラウドソリューションを開発できることを認定します。

Microsoft Certified: Azure Solutions Architect Expert

Microsoft Certified: Azure Solutions Architect Expertとは、Microsoft Azureのクラウドサービスを設計、開発、運用するスキルを認定する資格です。Azureのさまざまなサービスやソリューションに精通し、ビジネス要件やセキュリティ基準に沿った最適なアーキテクチャを提案できるプロフェッショナルを目指す方におすすめです。

Alibaba Cloud Certified Professional Cloud Architect

Alibaba Cloud Certified Professional Cloud Architectとは、Alibaba Cloudのクラウドサービスに関する高度な知識とスキルを持つ専門家の資格です。この資格を取得するには、Alibaba Cloudのクラウドアーキテクチャの設計、開発、運用、管理などの実務経験が必要です。また、Alibaba Cloud Certified Associate Cloud Architectの資格を持っていることが前提となります。

Alibaba Cloudのクラウドアーキテクチャを設計したり、最適化したり、トラブルシューティングしたりする能力を高めたい方や、Alibaba Cloudのクラウドサービスに関する最新の技術動向やベストプラクティスを学びたい方におすすめです。

クラウド技術に特化した資格として、AWS認定資格は非常に人気があります。AWS認定資格は、AWSのクラウド技術に関する知識を証明するもので、あなたがクラウド技術に精通していることを示すことができます。AWS認定資格には、ソリューションアーキテクト、開発者、データ分析、セキュリティスペシャリストなど、さまざまな資格があります。

また、Google Cloud Platform (GCP)の資格も注目されています。GCP資格は、Googleのクラウド技術に関する知識を証明するもので、AWSの資格と同等の価値があります。GCP資格には、アーキテクト、データエンジニア、アプリケーション開発者など、さまざまな資格があります。

ほかにも、Microsoft AzureやRed Hat OpenStack、クラウドセキュリティなどの資格もあります。これらの資格は、あなたがクラウド技術に特化した知識を持っていることを証明するためにも使えます。

ネットワークエンジニアとして必要な資格とは?

ネットワーク 資格

ネットワークエンジニアとは、ネットワーク機器や通信プロトコルなどを用いて、企業や組織のネットワーク環境を構築・運用・保守するエンジニアのことです。インフラエンジニアの中でも重要な役割を担っています。ネットワークエンジニアとして活躍するには、ネットワークの基礎知識や設計・構築・運用・管理のスキルが必要です。そのため、ネットワークに関する資格を取得することが、スキルアップやキャリアアップに有効です。おすすめのネットワーク資格は以下の通りです。

CompTIA Network+

CompTIA Network+ とは、ネットワークの基礎知識やスキルを認定する国際的な資格です。ネットワークの設計、構成、管理、トラブルシューティング、セキュリティなどの分野に関する知識が問われます。IT業界でのキャリアを目指す人や、ネットワークに関する知識を深めたい人におすすめの資格です。

ネットワークスペシャリスト

ネットワークスペシャリストは、ネットワークに関する高度な専門知識を証明する国家資格です。サーバーはネットワークを介して通信するため、ネットワークを含めたインフラ設計を行う際に役立つでしょう。令和4年春期の合格率は17.4%です。

CCNP(Cisco Certified Network Professional)

CCNP(Cisco Certified Network Professional)はシスコシステムズ社が提供する、ネットワーク技術者のための国際的な資格です。ネットワークの設計、実装、運用、トラブルシューティングにおける高度な知識や能力を認定します。

インフラエンジニアにとって必要不可欠なセキュリティ関連の資格を紹介!

セキュリlティ 資格

インフラエンジニアは、情報システムの安全性や信頼性を確保するために、様々なセキュリティ対策を行う必要があります。サイバー攻撃や内部犯行などのリスクに対応するために、セキュリティ関連の知識や技能を証明する資格は重要です。インフラエンジニアにおすすめのセキュリティ関連の資格は以下の通りです。

情報セキュリティ管理士認定試験

情報セキュリティ管理士認定試験は、情報セキュリティに関する知識やスキルを持つ人材を評価する資格です。企業で務めるにあたり、個人レベルで身に付けるべき概要を網羅する内容となっています。近年の情報セキュリティインシデントから、情報に内包される多岐に及ぶ脅威と求められる対策、ソフト/ハードの両面の知識が問われます。基礎的な知識が問われるため、インフラエンジニアだけでなく、事務や一般職の方にもおすすめです。

CCT(認定サイバーセキュリティ技術者)

CCT(認定サイバーセキュリティ技術者)はEC-Council社が提供するセキュリティの基礎を学ぶ事のできる初級資格です。サイバーセキュリティ分野でキャリアをスタートさせたい、サイバーセキュリティの基礎的な理解を深めたい人二おすすめの資格です。その後、上位資格であるCEH(Certified Ethical Hacker:認定ホワイトハッカー)ハッカーの思考や手法を学び、侵入テストや脆弱性診断などの技能を身につけることでセキュリティのスペシャリストへのキャリアが開けます。

CompTIA Security+

CompTIA Security+ とは、コンピューターセキュリティに関する国際的な認定資格の一つです。CompTIA Security+ は、ネットワークセキュリティ、暗号化、アクセス管理、リスク管理などの分野における知識とスキルを評価します。IT業界でセキュリティ専門家として働くための基礎的な資格として広く認められています。

オープンソースソフトウェアに詳しくなるためにはどんな資格がある?

オープンソース 資格

オープンソースソフトウェア(OSS)は、インフラエンジニアにとって欠かせないツールです。LinuxやApache、MySQLなどのOSSは、多くのシステムで利用されています。OSSに詳しくなることで、インフラエンジニアとしてのスキルや知識を高めることができます。また、OSSはコミュニティによって開発やメンテナンスが行われているため、最新の技術動向やトラブルシューティングの方法を学ぶこともできます。

OSSは数多く存在し、それらに関する資格も数多くありますが、ここでは代表的なものを紹介します。

RHCE(Red Hat Certified Engineer)

RHCE(Red Hat Certified Engineer)Red Hat Enterprise Linux (RHEL)に関する知識やスキルを証明する資格です。RHELは、企業や官公庁などで広く利用されているLinuxディストリビューションです。RHCEは、RHELのインストールや設定、サービスの管理やトラブルシューティングなどを実際に行う実技試験です。また、Ansibleをはじめとした、デプロイや、自動化スキルを身に付けることができます。

OSS-DB技術者認定試験

OSS-DB技術者認定試験は、オープンソースデータベース(OSS-DB)に関する技術力と知識を認定するIT技術者認定資格です。OSS-DB技術者認定試験には、SilverとGoldの2つのレベルがあります。Silverは、小規模なデータベースの運用管理や開発ができることを証明する資格であり、Goldは、大規模なデータベースの設計やチューニングができることを証明する資格です。OSS-DB技術者認定試験では、PostgreSQLを基準としたオープンソースデータベースの知識とスキルを問われます。

OSSの資格を取得することで、自分のスキルや知識を客観的に証明できます。また、OSSの資格を持つことで、企業からの信頼や評価も高まります。OSSの資格は、Webやコンピューティング開発などを行うIT業界で仕事をする人にとって、有効な資格です。

アジャイル開発に特化した資格を取得しよう!

アジャイル開発 資格

アジャイル開発とは、変化に対応できる柔軟な開発手法です。インフラエンジニアもアジャイル開発に参加することが増えています。アジャイル開発では、開発チームと協力して、短いサイクルでシステムを構築していきます。そのため、インフラエンジニアは、開発者とコミュニケーションを取りながら、迅速かつ効率的にインフラを提供する必要があります。

アジャイル開発に特化した資格は、以下のようなものがあります。

CSM (Certified ScrumMaster)

CSM (Certified ScrumMaster) はScrumというアジャイル開発手法を理解し、実践することができる人材を認定する資格です。Scrumでは、開発チームは2週間から1ヶ月程度の期間で機能を実装するスプリントと呼ばれる単位で作業します。CSMは、スプリントの計画や進捗管理、問題解決などをサポートする役割を担います。

DevOps Foundation

DevOpsとは、開発(Development)と運用(Operations)の連携を強化することで、ビジネス価値の高いシステムを迅速に提供する文化や方法論です。DevOps Foundationは、DevOpsの基本的な概念や原則、実践方法などを理解することができる人材を認定する資格です。

AWS Certified DevOps Engineer – Professional

Amazon Web Services (AWS)というクラウドサービスを利用してDevOpsを実現することができる人材を認定する資格です。AWSでは、インフラやプラットフォームをコード化して管理 [Infrastructure as Code(IaC)]できます。この資格では、AWSの各種サービスやツールを使って、インフラの自動化や監視、セキュリティなどを行う能力が問われます。

インフラエンジニアに必要なマネジメントスキルを身につけるための資格とは?

マネジメントスキル

インフラエンジニアとして活躍するためには、技術力だけでなく、マネジメントスキルも必要です。プロジェクトの進捗管理やチームメンバーのコミュニケーション、クライアントとの折衝など、多くの業務を円滑に行うためには、マネジメントスキルが不可欠です。そこで、インフラエンジニアに必要なマネジメントスキルを身につけるための資格を紹介します。

インフラエンジニアにおすすめのマネジメントスキル関連の資格は、以下の3つです。

ITSM(ITサービスマネージャ)

ITSM(ITサービスマネージャ)はITサービスの提供や運用を管理するための国際的な資格です。ITILやCOBITなどのフレームワークやベストプラクティスを学びます。ITサービスマネージャは、インフラエンジニアとして、サービス品質やコスト効率、顧客満足度などを向上させるために役立ちます。

※ITIL(Information Technology Infrastructure Library):ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティスをまとめた一連のガイドブックのこと
※ COBIT(Control Objectives for Information and Related Technology):アメリカの情報システムコントロール協会(ISACA)とITガバナンス協会(ITGI)が提唱しているITガバナンスの成熟度を測るフレームワークのこと

PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)

PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)はPMI 本部が認定しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格です。プロジェクトの計画や実行、管理、終了を行うための国際的な資格です。PMBOKという知識体系やプロセスを学びます。プロジェクトマネージャは、インフラエンジニアとして、プロジェクトの目標や期限、予算、リスクなどを管理するために役立ちます。

CBT(コミュニケーション能力検定)

CBT(コミュニケーション能力検定)は、コミュニケーション能力を測るための国内的な資格です。聞く力や話す力、読む力や書く力などを評価されます。コミュニケーション能力検定は、インフラエンジニアとして、チームメンバーやクライアントとのコミュニケーションを円滑にするために役立ちます。

これらの資格は、インフラエンジニアがマネジメントスキルを高めるために有効です。しかし、資格だけでは十分ではありません。実践的な経験やフィードバックも重要です。自分の強みや弱みを把握し、改善することが大切です。

次世代インフラエンジニアに必要なAI技術関連の資格を紹介!

AI エンジニア 資格

インフラエンジニアとして最新技術に精通したいなら、AI技術関連の資格は欠かせません。AI技術は、インフラエンジニアが扱うシステムやサービスに多大な影響を与えています。AI技術を理解し、活用することで、インフラエンジニアはより高度で効率的な仕事ができるようになります。そこで、次世代インフラエンジニアに必要なAI技術関連の資格を紹介します。

次世代インフラエンジニアにおすすめのAI技術関連の資格は、以下です。

G検定 E資格

日本ディープラーニング協会が運営している資格です。G検定(ジェネラリスト検定)はディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているか認定しています。E資格(エンジニア資格)はディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているかを認定します。AIエンジニアは、インフラエンジニアとして、AIシステムの設計や構築、保守や改善などを行うために役立ちます。

AWS Certified Machine Learning – Specialty

AWS Certified Machine Learning – Specialtyは、AWS上でAIシステム機械学習(Machine Learning)モデルを構築、トレーニング、チューニング、デプロイする専門知識を認定する資格です。AWSの機械学習サービスや機械学習アルゴリズム、ハイパーパラメータ最適化などの知識が必要です。この資格は、開発者やデータサイエンティストなど、AWSクラウドで機械学習や深層学習のワークロードを扱う役割を担う人に向いています。

TFDC(TensorFlow Developer Certificate)

TFDC(TensorFlow Developer Certificate)は、TensorFlowというオープンソースのAIフレームワークを使ってAIシステムを開発するための国際的な資格です。TensorFlowの基本的な使い方や応用例を学びます。TensorFlow Developer Certificateは、インフラエンジニアとして、TensorFlowを使ってAIシステムを開発するために役立ちます。

これらの資格は、次世代インフラエンジニアがAI技術に対応するために有効です。しかし、資格だけでは十分ではありません。実際にAIシステムを開発したり運用したりする経験も重要です。自分が興味や関心がある分野や課題に取り組みましょう。高度なスキルを身につけ、プロフェッショナルとしての道を切り拓くことができます。

まとめ

この記事では、最新技術に精通したプロを目指すなら取得したいインフラエンジニアの資格を25種類紹介しました。
こちらの記事で、どのような資格を実際に取得しているのか、をアンケートした結果をご紹介しています。参考にしてください。
IT資格ランキング〜インフラエンジニアにおすすめ〜

インフラエンジニアとして活躍するためには、クラウド技術、ネットワーク技術、セキュリティ技術、オープンソースソフトウェア、アジャイル開発、AI技術などの幅広い知識とスキルが必要です。資格を取得することは、自分の能力を証明するだけでなく、学習のモチベーションやキャリアアップのチャンスにもつながります。しかし、資格を取得するだけで満足せずに、実際の現場で経験を積み、最新の技術動向に常にアンテナを張り、実践的な問題解決能力を高めることが大切です。

インフラエンジニアは常に変化する技術に対応しなければならない職種です。資格はその一助となるものですが、最終的には自分自身の努力と成長が重要です。