はじめに

様々な技術やデバイスを活用して自宅を自動化し、便利に、住みやすくする「スマートホーム」注目が集まっています。そこで今回は、スマートホームのタイプ別操作法と活用ポイントについて紹介します。

スマートホーム とは?

スマートホームとは、IoTやAIといった技術を活用し、生活を便利に、快適にする家を意味します。スマートフォンやタブレット、スマートスピーカーなど、様々なデバイスと自宅に置かれる家電等を連携することで、いつもの単調な作業から解放され、時短化に繋げられるとあって、近年大いに注目が集まっています。また、スマートホームは、住宅メーカーや大手家電量販店が住宅を作る段階からビルトインで組み込んでいるものも登場しており、そうした住宅は「スマートハウス」とも呼ばれます。

スマートホームの操作方法

スマートホームにおいて重要なのは操作方法とユーザーインターフェース(UI)です。代表的なユーザーインターフェースについて、幾つか説明します。

音声による操作

スマートホームと聞いて、多くの方が思い浮かべる操作方法が音声による操作です。Google HomeやAmazon Echoシリーズで有名なAlexaを経由した音声による操作が代表的と言えます。スマートフォンでいえば、AndroidのGoogle Assistantも、iPhoneのSiriもそれにあたります。

スマートフォンのタップによる操作

スマートフォンによる操作も代表的なものです。例えば子供が寝ていて声を出しにくい場合や、外出先からスマートフォンのタップで静かに操作できるので重宝される操作方法です。例えば、帰宅前に自宅のエアコンをつける際などによく使われる操作方法です。

事前に登録したルールによる操作

製品にもよりますが、後述するような「スマート○○」と謳う製品は、多くの場合ルールを設定することができます。

例)

  • 設定した場所に近づいたら、照明とエアコンがつく。
  • 室内温度が27度を超えたら冷房を付ける。
  • 周囲が明るくなったら電気を消す。

このように事前にルールを登録しておけば、音声やスマートフォンのタップもせずに家電等を動かすことができます。まさに自動化と言えるでしょう。

今ある家電を有効活用して、スマートホームを自作化する方法

スマートホームの盛り上がりに伴って、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビなどの大型家電から、電子レンジ、ホットクック、炊飯器のような調理家電、体重計、温度計、扇風機などその他の家電に至るまで、多くの家電製品でスマートホームに対応したものが続々と登場しています。

最初から「つながる」ことを前提に作られているこれらのスマートホーム家電は、高機能な分、値段も高価です。スマートホーム実現のためにこれらの家電を買い揃えようとすると、数十万~百万円の投資が必要になる可能性もあります。そこで、機能ではスマートホーム家電に劣りますが、いくつかのアイテムを組み合わせてスマートホームを自作化する方法に注目が集まっています。

その方法を、家電製品の操作方法タイプ別に見ていきましょう。

赤外線のリモコンが付いているタイプには「スマートリモコン」

既に使っている家電が赤外線のリモコンに対応しているパターンです。テレビ、エアコン、扇風機など、多くの製品がこのタイプに該当します。このようなタイプの場合、スマートリモコンというアイテムを追加することで、スマートフォンやスマートスピーカーからの命令を赤外線に変えて、操作したい家電に送ることができます。汎用性が高く、非常に使いやすい方法です。

スマートホーム スマートリモコン

Nature Remoというデバイスは湿度・温度・照度・人感センサーも搭載しているので、単純に赤外線を飛ばすだけでなく、これらを活用したルール設定も可能です。

スマートホーム スマートリモコン
Nature Remo 3

照度センサーを用いれば、明るくなったら照明を消し、暗くなったら照明をつけることができますし、温度センサーを用いれば温度が一定以上になったらエアコンをつけ、一定以下になったら消す。といった自動化が可能となります。

物理的なボタンで操作するタイプには「Switch ロボット」

リモコンなどがなく、ボタンを直接操作するパターンの家電の場合、人間の代わりにスイッチを押してくれるSwitchBotというアイテムを追加することで自動化ができます。代表的な家電としては、空気清浄機や照明器具などが挙げられます。

スマートホーム SwitchBot

筆者の場合、給湯器の操作でSwitchBotを活用しています。外出先時、帰宅前にお風呂を沸かしておきたいときに給湯器の自動というボタンを代わりに押してもらうという形です。SwitchBotには、カーテンレールの上で実際に動きながらカーテンを開け閉めしてくれるSwitchBotカーテンというものもあるので、外出時だけでなく、自宅にいる際にも活用できます。

電源を入れたり、切ったりするタイプには「スマートプラグ」

物理的なボタンをONのままにでき、プラグを直接抜き差ししても問題ないような家電や、単純なプラグの抜き差しでON/OFFを切り替えるパターンの家電の場合、人間の代わりにプラグを抜き差ししてくれる(実際には送電のON/OFF切替)スマートプラグというアイテムを追加することでスマートホーム化ができます。代表的な家電としては、扇風機やフロアランプなどがあります。

スマートホーム スマートプラグ

スマートプラグは多くの種類が販売されていますので、ご自身に合うものをチョイスするのが良いでしょう。

【番外編】 玄関のドアもスマート化できる「スマートロック」

家電だけでなく、玄関のドアもスマート化できます。筆者の場合、Qrio Lockという製品で玄関をスマートロックにしています。一番のメリットは鍵を持たずに済むことですが、それだけではありません。玄関の位置を登録しておいて、自動ロック開錠機能をONにすると、近づいただけで、ロックが開錠され、ドアを開けることができます。鍵を探すことも、スマホを取り出すことも、スマホを操作することも不要なのです。荷物で手がふさがっていたり、子供を抱っこしたりしていても自動的に鍵を開けられるのはとても便利です。

余談ですが、このように複数の家電をWi-Fiにつなげると、ルータの最大接続数に到達してしまう心配があるでしょう。そのようなWi-Fiに関する問題は、「在宅勤務 ・ テレワーク でネットが遅い? 自宅のWi-Fi環境は大丈夫?「無線LAN(Wi-Fi)見直し」で紹介していますので、参考にしてみてください。

おわりに

冒頭でお伝えした通り、スマートホームはお金がかかります。しかし、少しの工夫で比較的安価にスマートホームを実現することができます。例えば、上述したスマートリモコンを用いた場合、Google Nest Mini本体で約6,000円+Nature Remo3本体で約10,000円と、合計2万円を切る投資で既存家電の音声操作化が可能となります。

※センサー類が省かれているNature Remo Miniは6,000円前後でもっとお手頃です。

テクノロジーの進歩によって、少しの工夫と投資だけで実現できるようになっているこの時代は、多くの可能性を秘めていると言えるでしょう。