Azureはクラウドコンピューティング分野で世界的に有名なプラットフォームです。近年多くの企業がAzureを利用して効率的かつ柔軟なITインフラを構築しており、クラウドサービス市場において、今後より重要性が高まると考えられます。
Azureエンジニアを目指すならスキルの習得は欠かせませんが、経験のない方にとっては何の技術をどのような方法で勉強すべきか、わからないことも多いでしょう。事前に勉強方法を把握しておかないと、効率的な学習ができず挫折につながってしまうリスクもあります。
本記事では、Azureの勉強方法とスキルを習得することで得られるメリットについて解説します。最後までお読みいただくことで、Azureの全体像と具体的な学習方法が把握できるでしょう。
目次
Azureとは
Azureは2010年10月に「Windows Azure」としてサービスを開始したMicrosoftが提供するパブリッククラウドプラットフォームになります。コンピューティングからデータ保存、アプリケーションなどオープンなプラットフォームとして、さまざまなサービスを利用することが可能です。Azureのシェアは調査会社Canalysの資料では全世界の23%になります。
出典:Canalys「Global cloud services market forecasts downturn despite growing 19% in Q1 2023」
Azureを勉強するメリット
Azureを勉強することで、さまざまなメリットが得られます。
クラウドエンジニアとしてのスキルアップができる
クラウドコンピューティングは、DXが求められる世の中で今後ますます重要になる技術です。Azureを勉強することで、複数のコンピューティングサービスを理解し、それらを組み合わせてソリューションを提供する能力が向上します。
また、データの保存やアクセス、セキュリティ、ネットワークといった広範なトピックについても深く理解することができます。これらは、ビジネス上の課題を解決するためのソリューションを設計し提供する上で必要なスキルであり、クラウドエンジニア、ソリューションアーキテクトなどの職種において必要とされます。
クラウドエンジニアとしてのキャリアアップにつながる
多くの企業がクラウドサービスをビジネス戦略の中心に置いており、Azureはシェアが高いプロバイダーとして広く利用されています。つまり、Azureの知識と技術を有することは、大規模なプロジェクトで活躍するためのステップとなり得ます。これらのポジションは需要が高く、良い待遇が見込まれることでしょう。
IT業界での活躍が広がる
Azureを勉強することはIT業界での活躍に必要なスキルを身につけるチャンスです。他のクラウドコンピューティングサービスにも応用可能です。Azureの学習はキャリアアップだけでなく、転職の機会を広げる可能性もあります。実践経験を積むことで能力を活かし、職場で昇進する道を選ぶことも、働きやすい環境に転職することも可能となります。
Azureの勉強方法
Azureの勉強方法について解説していきます。
書籍
書籍を使った勉強には、コストを抑えて自分のペースでスキルアップできるというメリットがあります。必要な知識が網羅的に書かれているため、特定の分野について体系的に学びやすい勉強方法です。手を動かしての学習や実践的なスキルの習得にはつなげにくいので、学習の際は他の方法もあわせて検討しましょう。
参考書籍
全体像と用語がよくわかる! Microsoft Azure入門ガイド
Azureの基礎知識を身に付ける入門書です。全体解説から始まり図を用いた説明が多いため、クラウドサービスを知りたい方にも勉強になります。
ひと目でわかるAzure 基本から学ぶサーバー&ネットワーク構築 第3版
クラウドコンピューティングやAzureの歴史が掲載されており、初心者からじっくり学べる内容です。仮想マシンおよび仮想ネットワークの設定について学べます。
徹底攻略 Microsoft Azure Fundamentals教科書[AZ-900]対応
Microsoftの初心者向け資格である「AZ-900」の対策本ですが、Azureの教科書としても最適な本です。
学習サイト
学習サイトを使った勉強は、手を動かした学習がしやすいというメリットがあります。学習環境をサイト側で用意する場合もあるため、実践的な学習をすぐスタートさせられます。
参考学習サイト
Microsoft Learn
AzureをはじめとするMicrosoftが提供する各種サービスの概要や使い方が、無償で学べるeラーニング形式の学習プログラムです。Azureに関してはドキュメント、サンプルコード、チュートリアルへのリンクがまとめられています。APIリファレンス、アーキテクチャ構築に関するガイダンスなどもあります。
スクール・研修
スクール・研修の受講は、高い学習効率が期待できる勉強方法です。スクール・研修の受講では、独学よりも効率的に学べます。経験豊富なエンジニアによって作られたカリキュラムに沿って、要点を押さえながら勉強が進められるでしょう。独学ではなかなか難しい実機を使った学習ができるのもポイントです。
「ITスクールは費用が高額なので、もう少しコストを抑えたい」という方にオススメなのが、動画を活用したサイトでオンライン研修を受講する方法もあります。本格的にAzureエンジニアを目指すのであれば、ぜひ受講を検討してみてください。
Azure初級者向け勉強ステップ
初級者の方は、以下の勉強ステップをオススメします。
公式ドキュメントを読み、Azureの基本を学ぶ
Azure公式サイトには、「Azureラーニングパス」があり、Azure のすべてのサービスに関する詳細な情報が掲載されています。はじめにラーニングパス内で、クラウドコンピューティングの概要を理解しましょう。次にAzureのサービスの種類や利用時の従量課金などのサービス概要も理解していくことが重要です。
Azureの無料利用枠を利用して学ぶ
Azureの無料利用枠を活用して実際に手を動かして学ぶことは、Azureの勉強方法として非常に効果的です。理論だけでなくサービスを操作することで、理解が深められます。オススメの勉強方法は、公式ドキュメントを読みながら同時に手を動かして学ぶことです。ドキュメントを読むだけではすぐに忘れてしまう可能性がありますが、手を動かして学ぶことで記憶に残りやすくなります。
Azureのハンズオンラボを受講する
Azureのハンズオンラボやトレーニングコースを受講するという手段も、初級者にとって非常に有効な学習方法です。これらの教材は、実際の操作を通じてAzureの各サービスの使用方法を学べるようになっています。
Azure中級者向け勉強ステップ
中級者の方は、以下を通じてサービスを深く理解していきましょう。
Azure認定資格を取得する
Azure認定資格試験は、MicrosoftがAzureの技術者向けに実施している試験です。Azureの基礎から高度な技術まで幅広い範囲をカバーしているため、Azureの認定資格試験に取り組むことで、Azureのサービス概要を深く理解できます。
Azureのクラウド設計・運用のフレームワークを理解する
Azureにはさまざまなクラウド設計・運用のフレームワークが存在します。その中でもよく知られているフレームワークに以下のようなものがあります。
- Microsoft Cloud Adoption Framework for Azure (CAF)
- Microsoft Azure Well-Architected Framework (W-AF)
- Azureリファレンスアーキテクチャ
現場で採用されているフレームワークを確認し、体系的に学ぶことで、各システムに対する詳細なイメージが持てるようになります。
Azureのセキュリティや運用について学ぶ
Azureのセキュリティや運用について学ぶことで、Azureのシステムをより安全に運用できるようになり、現場におけるセキュリティインシデントのリスクを軽減することにつながります。学習方法としては、Azureのセキュリティに関するドキュメントを読むことや、Azureのセキュリティに関する認定資格試験を受けることをオススメします。
まとめ
本記事では、Azureの勉強方法とスキルを習得することのメリットについて解説しました。
Azureエンジニアになるための勉強は、書籍や学習サイトを使った独学と、スクール・研修の受講の方法があります。独学は効率が悪く実機を使った練習もできないため、スクール・研修を受講する方がおすすめです。詳細は以下の表をご確認ください。
スクール・研修 | 独学(書籍・学習サイト) | |
メリット | ・講師から専門的な指導が受けられる ・疑問点があれば、すぐに確認できる ・開発環境等、学習環境が用意されている ・同じ目的を持つ仲間と出会える ・現場で使えるスキルを学べる | ・学習費用がスクール・研修に比べて安くなる ・自分に合う参考書を選ぶ事ができる ・自分の自由な時間や場所で学習できる |
デメリット | ・学習費用(受講料など)が独学に比べて高くなる ・受講者のレベル感にばらつきがあると研修満足度が低くなる ・受講できる期間や場所が限られる | ・疑問点があっても、すぐに答えが得られない ・開発環境等、学習環境を揃える必要がある ・孤独のため、モチベーションの維持が難しい ・最新技術や現場で使われる技術の習得が難しい |
なお、Azureエンジニアに欠かせない技術を学べる「BFTチョイトレ」を受講すれば、学ぶべきスキルを身につけられます。Azureエンジニアを育成したい企業の担当者の方は、ぜひ「BFT道場チョイトレ」を用いた研修を検討してみてはいかがでしょうか。
BFT道場チョイトレとは?

「BFT道場チョイトレ」は、多忙な現場で活躍するエンジニアたちに広く利用されているIT研修サービスです。定額制・受け放題の体系により、限られた予算の中でも多数の社員に学習の機会を提供できます。受講者はご自身のスキル向上プランに合わせてコースを選ぶことが可能です。
BFT道場チョイトレの特長
業務都合に合わせて講義を選択できる
チョイトレは1回3時間の研修を受講者のスケジュールに合わせて自由に選択できます。3か月先までの開催スケジュールをカレンダー形式で見られるため、ご自身の業務都合を考慮したうえで受講スケジュールを調整できます。
3営業日前まで予約ができる
チョイトレは予約専用サイトから3営業日前まで受講予約が可能です。忙しく日々予定が変化しやすい現場のエンジニアの方も、少しの時間を有効活用し、スキルアッププランを実現できます。詳しくは以下をご確認ください。