「常に挑戦し進化する」精神が刻み込まれたDNA。
オンリーワンの製造技術を駆使し、ナンバーワンの製品を世界中に提供。
高成長企業をITの力で支え続ける社内SEの育成に迫る。

1999年、製造業界におけるグローバル化と競争激化が見られた時代に、セイコーエプソン株式会社のグループ会社として創業したエプソンアトミックス株式会社。金属粉末や金属射出成形部品ならびに人工水晶原石の開発や製造および販売を行っている。また、金属粉末事業では、世界トップクラスのシェアを有し、スマートフォンなどのIT機器や電気自動車および医療用部品などの原材料の製造を手掛け、私たちの生活インフラの発展に大きく貢献している。今回はそんな同社において、事業管理部の課長としてIT化を推進する細越さんに話を伺った。

内製システムの舞台裏:多岐にわたる社内SE業務での挑戦と成長

2006年、新卒で当社に入社した私は、事業管理部の情報担当としての仕事に就きました。当時、社員の割合は主に製造や開発・技術系に傾斜しており、情報担当は私と先輩の2人体制でした。

私は情報系の専門学校を卒業したのですが、実際の社内SE業務は非常に幅広く、ITの企画と開発、インフラ周りのサーバー・ネットワーク環境の整備、PCのキッティング、情報セキュリティ対策、ヘルプデスクなど、多岐にわたっていたので、専門学校で学んだ知識をそのまま実務に適用するのは容易ではなかったです。

先輩はエンジニアリングに明るく、開発系の仕事に従事していましたが、彼が自身の業務をこなしながら私を育てるのは難しい状況でした。また、当時の社内研修はIT技術に特化した内容はなく、外部の研修を受ける機会もほとんどありませんでした。そのため、私は独学で勉強し、実務は先輩にアドバイスを仰ぎながら進めていました。

当社の金属粉末に関連する基幹システムは先輩が一人で開発したものでした。私もプログラミングを学んだ後、その基幹システムの改修に従事したり、調達システムを内製したりしていましたが、システムの改善や構築要望が個別で依頼される状況で、計画的に業務を進める難しさを感じていました。

当時、会社は社員数も現在の300名には遠く及ばず、3分の1程度でした。情報システムの予算が少なく、社内のウェブサイトやカタログも私一人で制作し、一部広報の役割も担当しました。しかし、このような役割にはネガティブな感情は持ちませんでした。振り返ると、むしろ知識を広げる機会として楽しんで取り組んでいたように思います。時には上司からの要望に応じて、自らシステムやツールを開発することもありました。

長らく2人で業務を遂行してきましたが、1名の入職と退職を経て、2019年に3人目のメンバーが加わりました。2020年には中途で2名、2023年には新卒で1名が入社しました。2021年に情報推進グループが設立され、私は管理職に昇進しました。このタイミングで、グループ全体のITスキル向上と教育の必要性が浮き彫りになり、私たちは「BFT道場 – チョイトレ」という研修プログラムを導入することに決めました。

実務に即したスキル習得:「BFT道場–チョイトレ」で取り組むIT教育

私たちの情報推進グループは、2019年以降、4名のメンバーを採用し、一緒に成長してきました。しかし、人事配転や退職といった変動もあり、現在は計4名体制でグループを運営しています。私たちの業務はルーティンワークがほとんどなく、ベンダーコントロールと内製の業務が組み合わさり、多岐にわたるIT業務を担当しています。もちろん、ネットワーク、人事労務系システムなど、一部の業務は親会社でコントロールされ、共通のシステムが使用されていますが、その他の業務については自由な意思決定ができる状況にあります。特にIT予算を策定する際には、内製化、クラウドサービスの利用、パッケージソフトウェアの活用、親会社のシステム利用など、様々な選択肢を採用することができています。

さらに、個別に依頼されていた機能要件の検討プロセスも一新し、システムDR(デザインレビュー)の仕組みを立ち上げました。現在では毎年11月に要求を提出してもらい、各部門からヒアリングを行った後、年間のITプロジェクトのスケジュールを策定するプロセスを確立しています。これにより生産性が向上し、昨年度では基幹系システムのリプレイスやパッケージ化、クラウド化を11件対応し、また、金属粉末の基幹システムに関しては、11件を内製、14件をベンダーに開発委託する動きが生まれました。他にも、非機能要件部分に関しては自社で年間計画を立てて推進しています。

弊社の社内SEはベンダーに業務を委託するだけでなく、内製での業務も多いため、サーバーの設定や構成変更など、実際に手を動かすことが多く、幅広い技術知識とスキルが求められます。そのため、教育面でも幅広くインフラ周りの技術を学べるチョイトレは、非常に魅力的に感じました。

また、チョイトレを選んだ理由はいくつかあります。まず、月額費用が手頃でありながら、リアルタイムのハンズオン形式で講義を受けられる点が魅力です。理論だけでなく、実際に手を動かしながら学ぶことで、知識の定着度が高まると考えています。

さらに、BFTの講師陣が現役のエンジニアである点にも注目しました。彼らの経験と実務知識は非常に価値があり、教科書では得られないリアルな情報を提供してくれます。他の類似サービスを探しましたが、このようなトータルパッケージを提供しているサービスはなかなか見当たらず、正直に言って、BFTを見つけるまでに結構な時間を掛けました(笑)

エプソンアトミックス株式会社

さらに、BFTの講義では余談的な話も多く、現場に近いリアルなエピソードを共有していただけるのが嬉しいポイントです。教育においては理論だけでなく、実際の業界での経験にこそ価値があると考えています。これらのエピソードを通じて、受講者はより実践的なスキルを習得し、エンジニアとしての自信を深めていけると考えています。

チョイトレを導入した効果としては、ある程度スキルを持つ中途社員からは「知見が広がった」「復習になった」「腹落ちした」といった声が挙がっており、新入社員にも知識の向上をもたらしています。ただし、OJTとOFFJTを上手く連動させなければ、実務での効果を実感してもらえないかもしれません。この点を今後の課題として認識しています。

また、チョイトレの講義では、AWSやAzure等のパブリッククラウド、Windows、NWに焦点を当てて受講してもらっています。特にAWSに関しては、既に親会社で使える環境が整えられているので、いずれ活用する日がくると考え、今のうちに知識を広げておいてもらいたいと思っています。

2023年4月から総務担当を兼務することとなり、3名の部下をもちWindowsや情報セキュリティなどITリテラシー向上のために受講しています。また研修の中には英会話教室もあり営業化推進部のメンバーの教育にも活用しています。

価値創造の原動力:エンジニアリングに必要な「想像力」

現在、弊社は全体的にIT化への前向きな姿勢を持ち、積極的にITを活用し、DXを推進しやすい環境にあります。この背後には、「より高性能な粉末を」、「より高品質の部品を」といった、お客様により多くの価値を提供するという強い志が根付いています。

私たち情報推進グループにとってのお客様は、ある意味で会社の従業員であるといえます。我々の業界がニッチなため、製造部門との緊密なコミュニケーションと業務理解が不可欠です。表面的な改修だけでは問題の本質的な解決は困難であり、真の改善には深い理解が求められます。そして、この業務理解には「想像力」が欠かせないと私は考えています。

エンジニアリングの世界において、「想像力」は決して軽視できない重要な要素です。私はエンジニアの教育において、この「想像力」を特に重要視しています。それは、既存のものに留まらず、新しい業務プロセスや革新的な製品を創り出すために不可欠なスキルだからです。

エンジニアにとって、「想像力」は技術の進歩に対応し、未知の課題に立ち向かうための力といえます。単に「IT化して業務を改善する」という従来のアプローチだけでなく、より進化した視点が求められています。私たちは「会社にないものを作る」のではなく、「会社に求められているものを作ろう」という志を共有しています。

エンジニアとしての成功には、単なる技術スキルだけでなく、未知の可能性に挑戦し、新しいビジョンを形にする「想像力」が欠かせないのです。私たちの目指す先は、単なる業務改善ではなく、新たな価値を生み出すエンジニアリングです。これからのテクノロジーの進化に対応するために、私たちは「想像力」を磨き、未来の可能性に向けて邁進していく覚悟です。

エプソンアトミックス株式会社

エプソンアトミックス株式会社

  • 事業内容  金属粉末、金属射出成形部品、人工水晶原石、上記製品の開発、製造、販売
  • URL   atmix.co.jp
  • 所在地   青森県八戸市大字河原木字海岸4-44
  • 設立    1999年10月
  • 資本金   4億5,000万円
  • 従業員数  390名(2023年10月1日現在)
エプソンアトミックス株式会社

細越 章太 様
事業管理部
課長

情報系の専門学校を卒業し、2006年に新卒として入社。入社後は事業管理部に配属され、情報担当としてのキャリアを積む。2021年に情報推進グループが発足されたタイミングで管理職に昇進。現在は同グループ4名体制のリーダーを務めている。また2023年には総務を兼務、3名の部下を持ち、同グループと総務担当の計7名体制となる。


この企業で利用している製品・サービス

BFT道場(チョイトレ)

BFT道場は「仕事で使える、仕事ができる」とは何かを考えて作られた教育サービスです。