本記事は「iU×BFT共同プロジェクト」にてiU 情報経営イノベーション専門職大学の学生の方にBFT道場のIT研修を受講した際のレポートをUsers Digital 編集部にて編集し、公開したものです。

iU 情報経営イノベーション専門職大学は、情報技術と経営戦略を統合することで、イノベーションを創出する人材を育成する大学です。情報システム、データサイエンス、ビジネスアナリティクスなどの専門知識と、経営戦略、マーケティング、リーダーシップなどの実践的なスキルを学びます。また、産学連携やインターンシップなどのプログラムを通じて、実社会での課題解決能力を養います。今回は産学連携の一環で、同大学の阿部川 久広教授、山内 正人講師にご協力をいただき実現した企画です。

本来であればIT企業に勤務されている方や、情報システム部門の方向けのIT研修ではあるのですが、現役の大学生が受講して、難易度やIT研修の内容などにどのような印象を持ったのか、リアルな声や感想をお届けします。

今回は、「【Linux入門編 全2回】第1回 Linuxを触ってみよう(基本編)」を受講いただき、そのレポートを執筆いただきました。

BFT道場 – Linux 入門編

Linux入門編の概要と目的

Linuxは、世界中で広く使われているオープンソースのオペレーティングシステムです。Linuxは、多様なデバイスやアプリケーションに対応しており、高いパフォーマンスと安定性を提供します。Linuxを学ぶことで、コンピューターの仕組みやプログラミングの基礎を理解することに役立ちます。

Linuxの入門編と位置づけられたこの講座は、全2回で構成されています。第1回目となる今回の研修では、学習目標を「Linux に慣れる」と「Linux の使い方を知る」が目標として設定されています。具体的には、 Linuxの基本操作方法や便利な機能を知り、実際に Linux を触り、機能や使い方を習得することを行うことを目標としています。

Linux入門編の研修の内容

今回のIT研修では、Zoom で講義を受講しながら、自らのパソコンで実際の作業を進めるハンズオン形式で受講しました。

Linuxの基礎知識

Linuxの基礎知識として、まずは座学でLinuxの基礎用語が説明されました。ユーザー、ディレクトリ、パーミッションといった3つの概念が丁寧に説明されました。

ユーザーとは、Linuxシステムにログインする際に使うアカウントのことで、rootユーザーと一般ユーザーの2種類があります。rootユーザーはシステムの管理者として全ての操作が可能ですが、一般ユーザーは制限された権限しか持ちません。

ディレクトリとは、ファイルを整理するためのフォルダのことで、Linuxではディレクトリがツリー構造で構成されています。最上位のディレクトリをルートディレクトリと呼び、その下にさまざまなディレクトリが存在します。

パーミッションとは、ファイルやディレクトリへのアクセス権限のことで、読み取り(r)、書き込み(w)、実行(x)の3種類があります。パーミッションは、ファイルやディレクトリの所有者(u)、同じグループに属するユーザー(g)、その他のユーザー(o)によって異なります。

実際に操作する前に、これらの用語の意味や役割を覚えておくとこの後の講義の内容がスムーズに進むと感じました。また、用語に関連する知識や例も現役のエンジニアの方から教えてもらえるため、より知識が深まると感じました。

また、CLI (Command Line Interface)という、Linuxの基本的な操作インターフェースについても説明があり、どのようにLinuxを操作するのかについても説明がありました。

Linuxの基本操作

続いて、Linuxの基本操作を学びます。コマンドの種類と使い方について、講師の方から説明を受けた後、自分で実際に操作するという内容でした。

作業中になにか不明点や困ったことがあれば、Zoomの挙手機能を活用して、すぐに質問できるようになっていました。講師の方は進捗状況を確認しながら、適切なサポートを提供してくれました。このようにアクティブラーニングを通して、Linuxの操作に慣れていきます。

具体的には、ログイン、ログアウト、ユーザー変更、ディレクトリ操作、ファイル操作、サービス操作、プロセス操作、シャットダウンといった一連の操作を、実機で自身がコマンド入力を行い、どのような結果となるのかを一つ一つ確かめながら進めていきます。

最後には、基本操作で学んだことを応用して、自分で考えて解決する課題に挑戦します。課題の解答は資料に記載されており、講師の方が丁寧に解説してくれました。

Linuxでよく使われるコマンド  

一旦休憩を挟んだ後、次のセクションでは、Linux でよく使われるコマンドを使用し、基本操作よりも少し応用的な操作方法を学びました。基本操作同様、コマンドとどのような時に使用するかの説明を受け、実機で自身がコマンド入力を行い、どのような結果となるのかを一つ一つ試すという流れで講座は進みました。

ここで学んだコマンドとしてはip、grep、find、dfなどがあります。ipコマンドは、ネットワークインターフェースやIPアドレスなどの情報を表示したり設定したりするコマンドです。grepコマンドは、ファイルや標準入力から指定したパターンに一致する行を検索するコマンドです。findコマンドは、指定した条件に一致するファイルやディレクトリを探すコマンドです。dfコマンドは、ディスクの使用状況や空き容量などを表示するコマンドです。

Linuxの便利な機能

最後に、Linux の便利な機能としてパイプライン、リダイレクト、cronなどの応用のコマンドを学びました。

パイプラインとは、あるコマンドの出力を別のコマンドの入力として渡すことです。パイプラインを使うと、複数のコマンドを組み合わせて効率的に処理できます。リダイレクトとは、コマンドの出力や入力をファイルに保存したり読み込んだりすることです。リダイレクトを使うと、ファイルや画面でコマンドの結果を確認できます。cronとは、指定した時間や周期でコマンドやスクリプトを自動的に実行する仕組みです。

このセクションの最後には、今まで学んだコマンドと、便利な機能を組み合わせて取り組む課題が出題されました。

その後、課題の解説が行われましたが、単純な解説だけでなく、実務でLinux を使う際に便利なTipsを紹介してくれました。

レベル感

この講座はLinuxをまったく操作したことがない、初心者の方にこそ受けてほしい講座です。

私は大学の講義でLinuxの基礎を学び、基本的な操作はできる状態です。そのため、内容を理解することは難しくありませんでした。この講座では、Linuxを初めて操作する人でも、講義の内容は基礎的なことからスタートしており、かつ講師の方の説明はわかりやすく、ステップバイステップで操作を教えてくれました。

また、講座中に疑問があれば、チャットや挙手で質問ができて、講師の方は丁寧に答えてくれました。テキストも見返しやすく、Linux のコマンドの一覧や例題が書いてあって、受講後に一人で復習をするにも非常に役立つと思います。

おすすめしたいポイント

今回の講座はオンラインで行われましたが、Zoom の挙手機能を使った進捗確認は、オンラインでの講座において効果的な方法だと感じました。発言を要求する場合、物怖じしてしまうことも考えられますが、リアクションであれば、他の受講者の邪魔にならず、講師の方は受講者の状況を視覚的に把握しやすくなるはずです。受講者側も状況を確認されることにより、適度な緊張感を持ちながら受講することができると思います。

 また、講師の方の質問に対する回答も素早くてわかりやすかったです。基礎用語からハンズオンまで、丁寧にサポートしてくれ、的確に答えてくれるため、質問もしやすくなり、受講者が安心して学べる環境だと感じました。

総じて、講師の方はハンズオンの進め方がとても上手でした。画面遷移での注意点や、資料の内容をしっかり読むことなど、初心者にとっては分かりにくい点を丁寧に説明してくれました。実際にLinuxを使う際に役立つコマンドやテクニックも教えてくれて、中級者以上の方にも有益な情報がありました。こういった講師の方の心遣いは参加者のモチベーションを高めるだけでなく、理解度も向上させる効果があると感じました。

他にも講座で使用したテキストにも理解度が上がるような工夫を感じました。用語の意味やイメージ、関連用語を整理して示しており、イメージを表す絵や図は、Linuxに慣れていない人や苦手な人にとってわかりやすいものだった。また、スライドは1つのコマンドについて1つの操作説明をしており、初心者でも追いやすかったです。

改善を期待したいポイント

今回の講座では、大きな改善を期待したいポイントはありませんでした。ですが、チャットや挙手機能だけでなく、受講者がもっと声を出して質問しやすい状態が作られていると良いのではないかと感じる部分はありました。

講師の方は、いつでも声を出して質問をしてくれても問題ないとのアナウンスはあったものの、質問はあまり出なかったように感じました。受講者自身が内容をきちんと理解できていたのかもしれませんが、率先して質問をするというのはいささか尻込みしてしまうことも考えられます。補助の講師の方やスタッフの方が質問を促したり、率先して質問を投げかけてみたりなどの工夫があると受講者としてもより質問がしやすい状況となったのかもしれません。

全体の感想

Linuxを初めて学ぶ方の講座内容としては、最適なのではないかと考えます。

講座で使用するテキストは図や解説が充実しており非常にわかりやすく、受講中も講師の方の解説は終始丁寧でした。ただし、内容は本当に基礎の部分に絞られており、Linuxを初めて触ってみるという部分に主眼を置かれている講座でしたので、実際に使うということになると本講座の第2回を受講することで操作に慣れる、自身でコマンドの学習をするなどが必要かと感じました。

まとめ

今回は、「iU×BFT共同プロジェクト」にてiU 情報経営イノベーション専門職大学の学生の方にBFT道場 – チョイトレのIT研修である、「【Linux入門編 全2回】第1回 Linuxを触ってみよう(基本編)」を受講いただきました。

本講座はLinuxにふれるということをテーマにしており、未経験の方がIT業界での最初の障壁とも言える、CLIの操作に慣れてもらうことを主眼に置かれてデザインされています。

BFT道場のIT研修を大学生が受講してみた! 【インフラシステム概要理解】
BFT道場のIT研修を大学生が受講してみた!【ネットワークシステム概要理解】
でご紹介している、「今更聞けない インフラシステム概要理解」、「今更聞けない ネットワークシステム概要理解」を受講したあとに本講座を受講いただくと、ITエンジニアとしての一歩を踏み出すための下地が作られてきます。

気になった方はぜひ、BFT道場 – チョイトレのサイトからお問い合わせください。