ChatGPTをはじめとした、生成系AIが登場しその機能や使い方についてメディアでも多く取り上げられています。当然、IT大手の各社も生成系AIの開発を進めており、Googleが作り上げた生成系AIがGoogle Bard(グーグル バード)です。2023年5月より、試験運用中ではありますが日本語でも使用できるようになりました。

インターネット上には、ビジネスに役立つ情報がたくさんありますが、それを探すのは時間と労力がかかります。Google Bardは、検索エンジンを運営している利点を活かし、チャットで質問するだけで必要な情報を簡単に入手できる画期的なサービスです。文章生成や言語翻訳、ソースコード生成など多彩な機能も備えており、コンテンツ作成にも便利です。

この記事では、Google Bardの特徴とメリット、始め方と使い方、できること、ChatGPTとの違い、活用事例などを詳しく解説します。生成系AIに興味ある方、ビジネス上でどのように活かせるのか興味のある方はぜひ参考にしてください。

Google Bardとは?

Google Bardとは、Googleが開発・提供している最新の対話型AIサービスです。2023年3月21日に公開され、現在は日本語、英語、韓国語に対応しています。Google Bardは、Googleが開発した大規模言語モデル(LLM)であるPaLM2をベースに開発されています。PaLM2は、テキストやコードなどの膨大なデータで学習を行っており、テキストの生成や、他言語の翻訳、多種多様なコンテンツの作成など、さまざまな機能を有しています。

Google Bardの始め方

Google Bardは、Googleが開発した最新の対話型AIサービスです。Google Bardは、あなたの質問に応じて、さまざまな情報を提供したり、文章を生成したり、言語を翻訳したり、ソースコードを作成したりすることができます。Google Bardは、Googleの大規模言語モデルPaLM2をベースにしており、自然な会話を行うことができます。

Google Bardを始めるには、まず bard.google.com にアクセスして、Googleアカウントでサインインします 。

サインイン時にGoogle Workspaceで使用しているアカウントでは、以下のようなエラーが出ることがあります。ご注意ください。

サインイン後、試験運用中である旨のメッセージが表示されます。

サインインが完了すると、Google Bardとチャットできる画面が表示されます。

画面の下部にあるテキストボックスに質問や要望を入力して送信すると、Google Bardが回答や提案を返してくれます。

例えば、「チャーハンを美味しく作るコツを教えて」と入力すると、Google Bardは以下のように回答します。

Bard: チャーハンを美味しく作るコツはいくつかあります。

    ご飯は冷めてから使う。
    火力は強火で炒める。
    油は多めに入れ、ご飯がパラパラになるまで炒める。
    具材は、先に火を通したものを使う。
    塩コショウで味を調える。

これらのコツを押さえれば、パラパラで美味しいチャーハンを作ることができます。

また、チャーハンを美味しく作るには、ご飯の種類も重要です。一般的には、パラパラになるように、冷めてから使うご飯がおすすめです。ただし、冷ご飯がない場合は、電子レンジで温めてから使うこともできます。

具材は、お好みのものを入れてください。定番のチャーハン具材は、卵、ネギ、豚肉、鶏肉、エビなどです。また、野菜を入れると彩りがよくなり、栄養価もアップします。

チャーハンは、簡単に作れる料理ですが、コツを押さえれば、プロ並みの味を作ることができます。ぜひ、これらのコツを参考に、美味しいチャーハンを作ってみてください。

このように、Google Bardはあなたの質問に対して適切な情報を提供してくれます。また、Google Bardは文章生成や言語翻訳、ソースコード生成など多彩な機能も持っています。それらの機能については次で紹介します。

Google Bardでできること

Google Bardは、Googleが開発した最新の対話型AIサービスです。Google Bardは、自然な会話を通じて、さまざまな情報やコンテンツを提供してくれます。Google Bardの機能の一例として以下のようなものがあります。

文章生成

Google Bardは、あなたの質問やリクエストに応じて、オリジナルの文章を生成します。例えば、「Google Bardの使い方についてブログ記事を作成します」と入力すると、Google Bardはこの記事のような文章を返してくれます。

Google Bardとは、Googleが開発し、提供している会話型AI(人工知能)です。2023年3月21日にリリースされ、現在は英語、日本語、韓国語に対応しています。

Google Bardは、ユーザーの質問や指示に応じて、テキストの生成、翻訳、質問への回答、コードの作成、音楽の作成など、さまざまなタスクを実行することができます。また、Google検索を通じて最新の情報にアクセスして質問に対する回答を作成することもできます。

Google Bardの使い方は、以下の通りです。
    1. Google Bardのウェブサイトにアクセスします。
    2. ユーザー登録を行います。
    3. ユーザー登録後、Google Bardにログインします。
    4. Google Bardに質問や指示を送信します。
    5. Google Bardが、テキストの生成、翻訳、質問への回答、コードの作成、音楽の作成など、さまざまなタスクを実行します。

Google Bardは、まだ開発中の製品ですが、さまざまなタスクを実行できる強力なツールです。今後のアップデートにより、さらに多くの機能が追加されることが期待されています。

Google Bardの使い方について、詳しくは以下のウェブサイトをご覧ください。

    ・Google Bardのウェブサイト: https://bard.google.com/?hl=ja
    ・Google Bardのヘルプページ: https://support.google.com/bard/

言語翻訳

Google Bardは、あなたが話す言語と異なる言語での会話も可能です。例えば、「英語でこんにちは」と入力すると、Google Bardは「はい、英語でこんにちはは「Hello」です。」と返してくれます。

言語翻訳の機能は、海外のパートナーや顧客とのコミュニケーションや、外国語学習にも役立ちます。

ソースコード生成

Google Bardは、あなたがプログラミングに関する質問やリクエストをすると、適切なソースコードを生成します。例えば、「PythonでHello Worldを表示するプログラムを作って」と入力すると、Google Bardは「print(“Hello World”)」と返してくれます。

ソースコード生成の機能は、プログラミング初心者や開発者にも便利です。もちろん、条件指定をきちんと行えば、もっと複雑なコードを生成してくれます。この機能で作成したPythonコードはGoogle Colabや、Replitにエクスポートすることができます。

Google BardはGoogleが開発した大規模言語モデルのPaLM2をベースにしているためにこれらの機能を実現できています。PaLM2は、インターネット上の膨大なテキストデータから学習した知識や文法を持っており、あらゆるトピックやジャンルに対応できます。Google Bardは常に学習し続けており、利用者との会話からフィードバックを得て、より自然で正確な回答を提供するように進化していきます。

Google Bardは、チャットで質問するだけで必要な情報が得られる画期的なサービスです。文章生成や言語翻訳、ソースコード生成など多彩な機能を紹介しましたが、これらはGoogle Bardができることの一部に過ぎません。Google Bardと会話してみると、あなたも驚くほどの結果が得られるかもしれません。

Google BardとChatGPTの違い

Google BardとChatGPTは、ともに対話型AIサービスですが、いくつかの違いがあります。ここでは、回答精度や速度、関連機能などを比較してみましょう。

項目Google BardChatGPT
開発GoogleOpen AI
言語モデルPaLM2GPT-3またはGPT-4
料金無料無料 GPT-4を利用する場合は有料プラン
情報の新しさ最新の情報を参照2021年までの情報に基づく
回答精度(正確性)Googleの検索エンジンと自然言語処理技術を組み合わせてインターネット上を検索し、最適な回答を生成GPT-3モデルをベースにして2021年9月までの一般的な知識や常識に基づいた回答を生成
検索エンジンGoogle検索と連動有料プランを利用することにより、Web検索機能が使用可能
強みリアルタイムの情報提供、情報ソースの表示、自然な会話テキスト生成や要約、クリエイティブなコンテンツ作成、回答の速度
関連機能文章生成や言語翻訳、ソースコード生成などのさまざまなタスクを対話的に行うことができる。マークダウンやLaTeXなどのフォーマットもサポート有料プランを利用することにより、Web検索機能が使用可能
その他の特徴Googleの提供するサービス(Gmail, スプレッドシートなど)と連携し、アウトプット可能APIを利用して多種多様なサービスと連携可能

情報の新しさ・回答精度

Google BardはChatGPTよりも高い精度を誇ります。Google Bardは、Googleの強力な検索エンジンと自然言語処理技術を組み合わせて、ユーザーの質問に最適な回答を生成します。ChatGPTは、オープンソースのGPT-3モデルをベースにしており、一般的な知識や常識に基づいた回答を生成しますが、特定の分野やトピックに関する回答は2021年9月までの情報に基づき回答するため、不正確や不十分な場合があります。

情報ソースの表示

Google Bardは、回答に必要な情報を収集したソースを表示することができるため、その回答を導き出すのに、何を参照したのかを把握することができます。例えば、「日本で一番高い山は何ですか?」と聞くと、「日本で一番高い山は富士山です。標高は3776メートルです。この回答はWikipediaから得られたものです。」と返答されます。

自然な会話

Google Bardは、PaLM2という言語モデルを使って自然な会話を目指しています。PaLM2は、対話に特化した言語モデルであり、人間との自然な会話を行うことを目的としています。そのため、Google Bardは、話題の継続や感情表現などを行うことができます。例えば、「好きな映画は何ですか?」と聞くと、「私はSF映画が好きです。特にインターステラーがお気に入りです。あなたはどんな映画が好きですか?」と返答されます。

回答の速度

ChatGPTは、回答の速度が速いことが特徴です。ChatGPTは、質問の複雑さや混雑状況によって変化しますが、一般的にはGoogle Bardよりも回答速度が速いと言われています。また、Google Bardは回答がされないこともあり、回答速度はChatGPTのほうが優れていると言えるかもしれません。そのため、回答の速度が重要な場合は、ChatGPTを選ぶと良いでしょう。

関連機能

Google BardはChatGPTよりも多彩な機能を提供します。Google Bardは、文章生成や言語翻訳、ソースコード生成などのさまざまなタスクを対話的に行うことができます。また、マークダウンやLaTeXなどのフォーマットもサポートしており、視覚的に魅力的なコンテンツを作成することもできます。ChatGPTは、主に自然言語での対話を行うことができますが、他のタスクやフォーマットには対応していません。

以上のように、Google BardとChatGPTは、対話型AIサービスとしてそれぞれに特徴やメリットがあります。それぞれまだまだ発展中のサービスであるため、これからの成長も楽しみです。生成AIは、ビジネスに役立つ情報を簡単に入手するだけでなく、コンテンツ作成や開発などの作業効率も向上させることができる画期的なサービスです。

Google Bardの活用事例

Google Bardは、対話型AIサービスとして、ビジネスに役立つ情報収集やコンテンツ作成の方法を提供します。以下に、Google Bardの活用事例をいくつか紹介します。

情報収集

Google Bardは、チャットで質問するだけで必要な情報を検索してくれます。例えば、「最新のITトレンドについて教えて」と質問すれば、Google Bardは以下のようにレポートを提示してくれます。

また、「AIの歴史と未来についてまとめて」と質問すれば、Google BardはAIの発展過程や現状、展望などを簡潔に要約してくれます。

このように、Google Bardは、ビジネスに必要な情報を素早く効率的に入手することができます。

文章の校正・校閲

Google Bardは、文章の校正・校閲にも非常に役に立ちます。

本記事内の文章をあえて誤字、文法的な誤りを混入させてみた文章を校正してもらいました。少々わかりにくいかもしれませんが、誤字などをきちんと修正した文章を生成してくれました。

他言語の翻訳

ITの分野に携わっていると、英文のマニュアルを読む機会があったり、問い合わせを英語で行ったりすることが発生します。そのような場合には翻訳機能です。もちろん英語だけでなく、さまざまな言語に翻訳することができます。

先程と同じ文章を英訳してもらいました。

長い文章の要約

Google Bardは長い文章を分析し、重要な部分をまとめる要約も得意としています。今回は、「第二百十一回国会における岸田内閣総理大臣施政方針演説」を要約してもらいました。今回は直接URLを指定せず、検索の結果から内容を要約してもらっています。

PDFを指定して、その内容を要約してもらうことも可能です。

定型的な文章の作成

Google Bardは定型的な文章作成することも得意としています。「営業の方がお客様へ送付する新年の挨拶メール」を作成してもらうこともできます。

このあとにご紹介する、「Googleサービスとの連携」を利用すれば、本文を作成してすぐにメール送信ということも可能です。

Googleサービスとの連携

Google Bardには他のGoogleが提供するサービスとの連携が可能です。定型的な文章を作成し、Gmailに連携する。出力した文章をGoogle ドキュメントにエクスポートするといった利用方法も可能です。

他にも回答を表形式で出力した場合は、Google スプレッドシートへのエクスポートも可能となっています。

Google Lens と連携した画像分析

Google Bardとの会話にテキストだけでなく画像もアップロードすることができます。
画像を提示して、「この画像に写っているカバンはどこで売っていますか?」といったプロンプトを追加する事により、画像からさらなる情報を引き出すことができます。

以下の例では、Windows標準の電卓の画像を元に、「Web上で実行できる形式で再現してください」と指示した際の応答です。

この機能は、執筆現在、英語のみの対応となっており、日本語では使用できないことに注意してください。

まとめ

この記事では、Googleが開発した最新の対話型AIサービスであるGoogle Bardについて紹介しました。

Google Bardは、チャットで質問するだけで必要な情報を簡単に入手できる画期的なツールです。文章生成や言語翻訳、ソースコード生成など多彩な機能を備えており、ビジネスに役立つ情報収集やコンテンツ作成を効率的に行うことができます。

Google BardとChatGPTのうち、どちらを利用すべきかは、目的やニーズによって異なりますが、両者を使い分けることでそれぞれの利点を最大限に活用することができるでしょう。

ぜひ、Google Bardを試してみてください。