はじめに
執筆時点、東京はようやく三度目の緊急事態宣言が解除されました。少しずつ出社の機会が増えたという方も多いのではないでしょうか。しかし、東京はテレワークデイズもあり、まだまだオンラインでの仕事が続きそうです。さて、前回に続き今回はGoogle Workspaceのドキュメント作成ツール「 Googleドキュメント 」についてご紹介させて頂こうと思います。
お仕事の中で、長めの文章を書いたり、契約書類など、正式な文書を扱ったりする方はお馴染みだと思いますが、文書作成と言えば、Microsoft社のWordだろう。と思う方も多いかと思います。
筆者もその一人で、基本的にはWordを用いた文書作成が多かったりしますが、Google Workspaceに統合され、ウェブ上で手軽にWordのような文書が作成できるGoogle ドキュメントもだんだんと使う場面が増えてきました。
そのGoogle ドキュメントの強みと使い方について見ていきたいと思います。他のサービスについては、以下の記事でもご紹介しておりますので合わせてご確認ください。
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Googleドキュメント とは?

Googleドキュメントとは、Google社から提供されているドキュメント作成ウェブアプリケーションで、Googleアカウントさえあれば誰でも無料で利用することができ、かつ複数のユーザと同時閲覧、編集などが可能なソフトウェアです。
また、Office製品の代名詞と言えるMicrosoft社のWordと互換性があるため、親しみやすいユーザーインターフェースでWordを使ったことのある方であれば、すぐにでも使いやすいのが魅力と言えます。
Googleドキュメント の強みは?
少しネタバラシをしてきたようですが、改めてGoogleドキュメントの強みについて見ていきます。
ドキュメント作成ソフトウェアの代名詞Microsoft Wordとの互換性
後程しますが、何と言っても互換性は大事だと思います。自社内や知り合い同士で文書を作成し、共有するのであれば特段問題ないかも知れませんが、取引先やその他外部の方とやり取りをするとき、互換性のないソフトウェアだと、どんなに素晴らしい文書であったとしても読んでもらえません。
そうした意味で、Google ドキュメントは互換性を担保してくれているので使いやすいと言えます。
インストール不要、オンラインツールならではの手軽さと共有のしやすさ
Googleドキュメントは、従来のドキュメント作成ソフトウェアに比べ、ソフトウェアを導入せず(アプリケーションをインストールせず)とも、アカウントさえあればブラウザ一つで文書の作成・編集ができる点が大きな強みと言えます。
また、オンラインツールであるため、パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレットなどからでも手軽にアクセス可能であり、Wordでは難しかった複数人での同時閲覧、編集が可能なのも大きな強みと言えるでしょう。
人手に頼らない自動保存機能と自動バージョン管理機能
従来のドキュメント作成ソフトウェアでは、人手でファイルごとにバージョンを管理し、バックアップしていたものが、Google ドキュメントでは、クラウド上のストレージに自動的に保存され、バージョン管理までやってくれるので、人手による管理が不要となります。
そのため、うっかりミスをしてしまった際にも、自動で(勝手に)バージョン管理されているものから、戻したいものを選び、いつでも復元することができるのはまさにオンラインツールならではの強みなのではないかと思います。
Googleドキュメント の基本的な使い方
ここからはGoogleドキュメントの基本的な使い方を、ドキュメント作成ソフトウェアの代名詞というべきMicrosoft Wordと比較しながら解説させていただきたいと思います。
Googleドキュメント で使えるファイル形式
上述の通り、GoogleドキュメントはMicrosoft Wordと互換性があるため、通常のWord形式である拡張子が「.docx(doc)」のファイルをGoogleドキュメントとしてブラウザから直接開き、編集することが可能です。
例えば途中まで個人でWordを用いて作成したファイルを、途中から複数人でGoogleドキュメントを使用して編集することが可能になります。さらに、Googleドキュメントの形式で作成したファイルを、Wordの形式(docx、doc)やPDFといった別の形式で保存(ダウンロード)することも可能です。
WordファイルをGoogleドキュメントとして開く方法
①Googleドライブに、任意のWordファイルをアップロードする。
②アップロードしたファイルを右クリックし、「アプリで開く」から「Googleドキュメント」を選択する。

Googleドキュメント で作成したファイルを、別のファイル形式で保存(ダウンロード)する方法
①Googleドキュメントを開き、「ファイル」から「ダウンロード」を選択する。
②ダウンロードしたいファイル形式を選択してダウンロードする。

ユーザーインターフェース
GoogleドキュメントとWordは互換性がありますが、インターフェースに多少の違いは存在します。ドキュメントの新規作成画面でその違いを見ていこうと思います。
- Googleドキュメント

画面上にメニューバーがあり、「ファイル」より作成、コピー、開くなどの作業、「編集」から検索、置換、「表示」より印刷レイアウトやルーラー、「ツール」から文字カウントなど様々な操作が行えます。
- Microsoft Word

基本的なインターフェース、テキストの入力・編集方法などは同じです。「ホーム」でGoogleドキュメントのメニュー(フォントや文字サイズなど)が選択できて、「挿入」より画像や図形を入れることが可能です。
大きな違いとしてはMicrosoft Wordがメニューが多く、リボンメニューでまとめられているところでしょうか。
Googleドキュメント の高度な使い方
多少のインターフェースの違いはあるものの、使い慣れているメニュー操作で多くの作業ができるようになっているので非常に親しみやすい面がありますが、オンラインそしてGoogleならではの嬉しい機能もあります。
音声入力(音声文字起こし)機能
文字入力には、通常、キーボードを使ったタイピングによる入力が普通だと思いますが、Googleドキュメントにはマイクで聞き取った音声を文字起こししてくれる機能が備わっています。
PCからはもちろん、iOSやAndroidのスマートフォンを用いても音声入力が可能なため、例えば議事録を取りたい、インタビューを文字起こししたい時などに非常に便利です。
日本語の文字起こしに関して、精度的に完ぺきとは言えないのが実情ですが、それでも音声認識に強みを持つGoogleだけあって、かなりのハイクオリティで文字起こしをしてくれます。
だまされたと思って今度、文字起こし機能を試してみてはいかがでしょうか。少しは見方が変わるかもしれません。
複数人での共有と同時閲覧、修正機能
Googleドキュメントは、他のGoogle Workspaceのアプリケーションと同じく、ブラウザ一つあれば複数人と同じドキュメントを閲覧・編集することができます。
やり方も他のGoogle Workspaceの操作と同じで、右上の「共有」から、追加したい人を選び、権限(閲覧のみ、編集も可)を設定するだけで済みます。オンラインツールならではの機能で非常に便利です。


簡単な文章チェック機能
「校閲」という言葉が数年前に流行りましたが、Googleドキュメントにも作成した文章にミスがないかを確認する機能があります。もちろん内容に関わる部分や、マンパワーでしか直せない部分はまだありますが、スペルや文法などの簡単なものであれば検出することが可能です。
使い方は簡単で、ホーム画面の「ツール」より、「スペルと文法」にカーソルを合わせ、スペルと文法のチェックをクリックするだけです。

チェック機能を走らせたら、ミスのありそうな部分について、指摘と共に、候補を表示してくれるので、Google ドキュメントの指摘が正しければ、「承諾」を押すだけで、訂正することが可能です。

ショートカットキー
最後に、Microsoft Word同様、数多くのショートカットキーが用意されており、多くの場合がMicrosoftのそれと同じ操作が可能ですが、ブラウザで動くWebアプリケーションと言うのもあり、ブラウザを操作するショートカットキーと重ならないよう設定されているように感じます。
筆者は何回か失敗した経験があります。
ショートカットキーを上げればきりがないので良く使う文字関連のモノを抜粋しておりますが、詳しくは下記のサイトをご覧頂ければと思います。
太字 | Ctrl+B |
斜体 | Ctrl+I |
下線 | Ctrl+U |
取り消し線 | Alt+Shift+5 |
上付き文字 | Ctrl+. |
下付き文字 | Ctrl+, |
文字書式をコピー | Ctrl+Alt+C |
文字書式を貼り付け | Ctrl+Alt+V |
文字書式をクリア | Ctrl+\ Ctrl+Space |
フォントサイズを拡大 | Ctrl+Shift+. |
フォントサイズを縮小 | Ctrl+Shift+, |
おわりに
いかがでしたか。Googleドキュメントは、ドキュメント作成ソフトウェアの代名詞であるMicrosoft Wordに比べたら一見見劣りする部分もありますが、オンラインならではの強みを持っています。
特に、複数人での閲覧や編集、マルチデバイス対応は優れもので、
例えば、打ち合わせをしながら、みんなで同じものを見て、修正する。
例えば、出先の電車移動中にスマホで編集して続きは自宅やオフィスのパソコンで仕上げる。
などと言った、いつでも、どこでも仕事ができる現代ならではのデジタルワークスタイルを実現させてくれます。
皆様の職場やグループ、コミュニティーで活用してデジタルなワークスタイルを実現してみてはいかがでしょうか。他のツールに関しても後続の記事でご紹介します。