前回までのおさらい

前回までは、Power Automate Desktopが無償化されるというニュースと、簡単な概要、インストール、 RPA による業務自動化処理の設定方法をご紹介しました。

【RPA】ついにきた! マイクロソフトが無償のRPA ツール「 Power Automate Desktop 」をリリース【第1回】

【RPA】働き方改革の第一歩 RPAツール「Power Automate Desktop」の導入【第2回】

【RPA】Windows 標準? 無償のRPAツール「Power Automate Desktop」使ってみた!【第3回】

第3回でご紹介したRPAによる自動化シナリオは以下のようなものでした。

1. 顧客情報が入ったExcelファイルを開く
2. 顧客名、連絡先名、連絡先Eメールの情報を見る
3. サンプルアプリを起動する
4. 上記の情報をサンプルアプリに入力する
5. 2~4を必要な回数(記載されている顧客数分)繰り返す
6. 保存して終了

これらをわかりやすくすすめるために大きく3つの処理に分けて進めていきます。

(A) Excelからデータを取得する処理(1~2)
(B) サンプルアプリにデータを登録する処理(3~4)
(C) 繰り返し処理を実行する処理(5~6)

第3回では、(A)の処理を作成しました。第4回となる今回は、(B)と(C)の処理について、サンプルアプリを使用して、実際に業務自動化の続きを行ってみましょう。
本記事は執筆時の情報をもとに作成しており、Power Automate Desktop for Windows 10を対象として記載しています。

RPA フロー作成 – データ登録準備 –

前回の処理で「顧客情報.xlsx」からデータは取得できていますので、サンプルアプリに登録する処理を作成していきます。

1.       サンプルアプリを起動する

まず、サンプルアプリである、「請求デモアプリ」を起動します。
「システム」>「アプリケーションの実行」の順に選択して、ダブルクリックもしくは右側へドラッグ&ドロップします。

RPA

「アプリケーションパス」に「C:\Program Files (x86)\Contoso, Inc\請求デモアプリ\LegacyInvoicingApp.exe」と入力し、他の部分は変更せずに「保存」をクリックします。
※筆者の環境ではデフォルトでのインストールのため、上記のパスとなっています。インストール先を変更した場合は、上記パスも変更してください。

RPA

ここで誤りがあるとこのあとの処理が進みませんので、「︙」>「ここから実行」の順にクリックして、「アプリケーションの実行」のみ実行します。

RPA

無事サンプルアプリの「請求デモアプリ」は起動したでしょうか?
このあとの処理で使用しますので、サンプルアプリは起動したままにしておきます。

2.       繰り返し処理を設定する

ここで繰り返し処理を作成します。本来であれば、顧客データの入力処理を作成してから設定したいところなのですが、変数の設定が後で煩雑になるため、ここで設定してしまいます。

「ループ」>「For each」の順に選択して、ダブルクリックもしくは右側へドラッグ&ドロップします。

RPA

「反復処理を行う値」に「%ExcelData%」と入力し、「保存」をクリックします。
これは、%ExcelData%(Excelから取得したデータ)の全行に対して反復処理を行うという設定です。

RPA

これで繰り返し処理が登録されました!「ExcelData」のデータ内容を「CurrentItem」として扱い、「For each」から「End」の間にある処理を「CurrentItem」の個数分繰り返す、という処理です。

RPA

RPA フロー作成 – データ登録 –

1.          新規登録の操作

続いて、顧客データの入力準備を行います。サンプルアプリは起動しているので、新規登録する操作を指定します。
「UIオートメーション」>「ウィンドウのUI要素をクリックする」の順に選択して、ダブルクリックもしくは右側へドラッグ&ドロップします。

RPA

「プルダウンボタン」>「新しいUI要素の追加」をクリックします。

RPA

サンプルアプリの画面を表示し、左上の「新規作成」ボタンにマウスを合わせると、赤枠が表示されます。その後、「Ctrl」キーを押しながら、マウスでクリックします。
画面にはCtrl + 左矢印を押してからクリックと表示されますが、左矢印を押す必要はありません。

RPA

以下のように要素が登録されていれば成功です。「完了」をクリックします。

RPA

「UI要素」に以下のように登録されているはずですので、「保存」をクリックします。

RPA

2.       顧客データの入力

続いて、顧客データの入力を行います。
サンプルアプリは起動しており、新規登録する操作も完了していますので、どこに、どのデータを入力するのかを指定します。
「UIオートメーション」>「フォーム入力」>「ウィンドウ内のテキストフィールドに入力する」の順に選択して、ダブルクリックもしくは右側へドラッグ&ドロップします。

RPA

「プルダウンボタン」>「新しいUI要素の追加」をクリックします。

RPA

サンプルアプリの画面を表示し、「顧客名」の右側の入力フィールドにマウスを合わせると、赤枠が表示されます。その後、「Ctrl」キーを押しながら、マウスでクリックします。
「追跡セッション」が追加されたら、「完了」をクリックします。

RPA

「テキストボックス」に以下のように登録されているはずですので、「入力するテキスト」に「%CurrentItem[0]%」と入力し、「保存」をクリックします。

RPA

「CurrentItem[0]」は「ExcelData」で読み込んでいる、0番の列を表しています。

これで、「顧客名」の設定はできました。
同様の操作で「連絡先名」と「連絡先Eメール」の設定を行います。
その際の「入力するテキスト」は「%CurrentItem[1]%」と「%CurrentItem[2]%」を設定します。設定後は以下のような状態になっているはずです。

RPA

処理概要を改めて説明しておきます。


6:繰返し処理の開始
7:新規作成のボタンをクリック
8:「顧客名」に0番の列のデータを入力
9:「連絡先名」に1番の列のデータを入力
10:「連絡先Eメール」に2番の列のデータを入力
この時点で「ExcelData」のすべてのデータが処理できていない場合は6に戻ります。つまり、6~10までをすべてのデータ入力が完了するまで繰り返すということです。
すべてのデータが入力できている場合には、繰り返しの処理は終了です。これで顧客データの入力処理は作成完了です!

3.       入力後の登録

最後に入力したデータの保存を行いましょう。
※サンプルアプリでは、データの保存は行われませんが、実際の操作を想定しての操作です。

「UIオートメーション」>「ウィンドウのUI要素をクリックする」の順に選択して、ダブルクリックもしくは右側へドラッグ&ドロップします。

RPA

「プルダウンボタン」>「新しいUI要素の追加」をクリックします。

RPA

サンプルアプリの画面を表示し、左上の「保存」ボタンにマウスを合わせると、赤枠が表示されます。その後、「Ctrl」キーを押しながら、マウスでクリックします。「追跡セッション」が追加されたら、「完了」をクリックします。

RPA

「UI要素」に以下のように登録されているはずですので、「保存」をクリックします。

RPA

この状態でアクションを作成すると、繰り返し処理の中に含まれてしまいます。そのため、作成したアクションをドラッグ&ドロップで「End」の後に移動させます。

RPA

最後にサンプルアプリを終了します。「UIオートメーション」>「Windows」>「ウィンドウを閉じる」の順に選択して、ダブルクリックもしくは右側へドラッグ&ドロップします。

RPA

「プルダウンボタン」>「新しいUI要素の追加」をクリックします。

RPA

サンプルアプリの画面を表示し、「タイトルバー」ボタンにマウスを合わせると、赤枠が表示されます。その後、「Ctrl」キーを押しながら、マウスでクリックします。
「追跡セッション」が追加されたら、「完了」をクリックします。

RPA

「ウィンドウ」に以下のように登録されているはずですので、「保存」をクリックします。

RPA

これですべての処理の設定が完了しました!フローの内容を確認してみましょう。

RPA

では、最後に「▷」ボタンをクリックして、実行します。処理はうまく実行されたでしょうか?うまく実行された場合は以下のように動作します。

確認ができたら、保存ボタンをクリックして、ここまでの処理を保存しておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?全4回にわたり、RPAツールであるPower Automate Desktopを使用した簡単な作業を自動化する方法を紹介させていただきました。本ツールはWindowsの標準機能としてリリースされる予定となっています。そのため、これだけのRPAの機能が無料で、Windows 10を使用していれば、誰でも使えるようになります。

実際にサンプルの処理を作成してみた率直な感想としては、処理の分解さえできれば、誰でも使いこなせるツールであると感じました。プログラミングの知識も必要なく、専門的な知識も必要とせずに、これだけのことができるツールを使用できるため、RPAの入門としてはかなり有用ではないかと感じています。

とは言ってもいくらかの慣れや知識は必要となります。しかし、その先行投資をしても余りある効果が得られるはずです。なによりWindows標準の機能となりますので、業務で使用するPCに会社ごとのルールなどでインストールできないということもないのではないでしょうか。
この無料のRPAツールを使いこなせるか否かで、業務効率は格段に変わると考えています。

この記事を通して興味を持たれた方は、ダウンロードしてPower Automate Desktopを使用してみてください。その一歩が働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)の一助となり、読者の皆さま方の働き方改革につながるかもしれません。